軽自動車と普通車・小型車とで、保険料がどのくらい異なるかを調査しました。
車両価格が同じくらいの軽自動車と普通車・小型車とで自動車保険の保険料を比べると、たいていは軽自動車の方が保険料が安くなります。

このページでは、軽自動車の保険料が安くなる仕組みや、どのくらい安くなるかなどを解説しています。
13のおもな自動車保険で、軽自動車と普通自動車の保険料を、見積もり・比較しました!
トヨタのアクア(普通・小型)とホンダのNBOX(軽自動車)の、5年ほど前に発売された時価約100万円(2022年現在)のモデルを、保険料シミュレーションしました。


35歳10等級、本人配偶者限定、35歳以上、車両保険なしの、シンプルな補償プランでの比較です。
また、アクア(普通・小型)の保険料を100%としたときのNBOX(軽自動車)の保険料の割合も併せてご覧ください。
保険会社 | トヨタ アクア (普通) |
ホンダ NBOX (軽) |
割合 |
---|---|---|---|
あいおいニッセイ | 51,980 | 36,650 | 70.5 % |
損保ジャパン | 50,260 | 35,500 | 70.6 % |
東京海上日動 | 52,740 | 36,260 | 68.8 % |
三井住友海上 | 50,610 | 35,800 | 70.7 % |
アクダイレクト | 37,340 | 26,170 | 70.1 % |
イーデザイン損保 | 30,440 | 24,950 | 82.0 % |
SBI損保 | 29,200 | 22,830 | 78.2 % |
セゾン自動車火災 | 29,660 | 22,650 | 76.4 % |
ソニー損保 | 40,620 | 28,140 | 69.3 % |
チューリッヒ保険 | 31,570 | 24,640 | 78.0 % |
三井ダイレクト | 32,510 | 25,660 | 78.9 % |
楽天損保 | 39,970 | 32,770 | 82.0 % |
こくみん共済coop | 37,540 | 28,940 | 77.1 % |
上の4つが代理店型自動車保険で、それ以外がダイレクト型自動車保険です。
すべての自動車保険で、軽自動車のほうが安くなりました。
また、特定の2つのモデルの比較でしかありますが、軽自動車の保険料は、代理店型は70%前後で、ダイレクト型では80%前後が主流のようです。
軽自動車によっても、自動車保険の保険料は異なります。型式ごとに料率が決められています。
車の型式ごとに、事故の起こりやすさがランク分けされていて、それによって保険料が異なります(事故が起こりやすい方が高くなります)。
そのランク分けに使われているのが型式別料率クラスです。
型式別料率クラスとは
一般的な説明なので、すでにご存知の方は読み飛ばしてください。
型式とは
型式というのは、車検証の《型式》の欄に記載されている記号と数字の羅列です。

ただし、自動車保険においての“型式”は、ハイフン(-)より後ろの記号のことを指します。
たとえば、この欄にDAA-ZWR80Gと記載されていたら、型式はZWR80Gです。
料率クラス
「対人賠償保険」「対物賠償保険」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)保険」「車両保険」の4つの保険について、それぞれ型式ごとに料率クラスが決められています。
軽自動車の料率クラスは1〜3の3クラスに分けられており、料率クラスの数字が大きいほど、保険料は高くなります。
4つの保険について、それぞれ3クラスあるので、クラスの組み合わせは81通りになります。
つまり、保険料は理論上は81パターンに分かれます。
ちなみに、普通・小型自動車にも料率クラスはありますが、軽自動車とは別の体系(17クラス)で運用されています。
なお、以下のウェブサイトで、標準的な型式別料率クラスを、簡単に調べられます。
型式別料率クラスよる保険料の違いの例
例として、NBOX(ホンダ)、タント(ダイハツ)、ワゴンR(スズキ)の料率クラスと保険料を、東京海上日動の自動車保険で比較しました。



まず、3つのモデルの型式別料率クラスをご覧ください(車両保険の料率クラスは省略)。
モデル(型式) | 対人賠償 保険 |
対物賠償 保険 |
傷害保険 |
---|---|---|---|
NBOX(JF1) | 2 | 1 | 2 |
タント(LA600S) | 1 | 1 | 3 |
ワゴンR(MH34S) | 3 | 3 | 3 |
続いて、3つのモデルの保険料をご覧ください。
30歳10等級、車両保険なしの、月々の保険料です。
NBOX(JF1) | 3,610円 |
---|---|
タント(LA600S) | 3,550円 |
ワゴンR(MH34S) | 4,140円 |
ワゴンRは、料率クラスが3つとも最大の3でしたから、予想通り保険料も高くなりました。
NBOXとタントは、どちらが安くなるか予想しにくいところでしたが、この見積もりではタントのほうが安くなりました。
車購入検討時は、型式別料率クラスも要チェック
型式別料率クラスを知っていても、保険料がいくら違うかは見積もりをしないとわかりません。
つまり、すでに所有している車を保険に入れるときにその車の料率クラスを調べても、メリットは乏しいです。
一方、車の購入や買い替えを検討する段階なら、型式別料率クラスを知ることで、保険料が高くなりやすいモデルかをチェックできます。
見積もり条件をそろえて、おもな自動車保険を比較するなら、無料の保険料一括見積もりサービスが近道です。
自動車保険の保険料は、いろいろな条件が積み重なって決まります。
あなたの条件で見積もりしたら、上の商品以外にも、魅力的な選択肢があるかもしれません。
検討の早い段階で候補を絞るのではなく、できるだけ幅広く見積もりをとって比較していただきたいです。
しかし、仕組みや言葉遣いが異なる複数の自動車保険を、同じ条件設定で見積もりするのはけっこう負担ですし、ミスの恐れがあります。

そこで、以下の保険料一括見積もりサービス(無料)をおすすめします。
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このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。

【付録①】軽自動車は、自賠責保険(強制保険)や税金でも、普通自動車より割安です。
車の維持費には、さまざまな項目があります。
- 自動車税(毎年5月に支払う)
- 自動車重量税(車検のときに支払う)
- 車検費用(重量税と自賠責を除く)
- 法定点検費用
- 自賠責保険(車検のときに支払う)
- 自動車保険(任意保険)
- 燃料代
- 駐車場代
- その他臨時の支出
上でご説明したように、自動車保険(任意保険)の保険料は、軽自動車の方が普通自動車より割安です。
その他に、軽自動車の方が確実に安くなるのが、自賠責の保険料と税金です。
それぞれの費用の1年あたりの負担を、比較表にまとめました。
軽乗用車 | 普通車 (小型) |
普通車 (2.5ℓ) |
|
---|---|---|---|
自動車税 | 10,800 | 34,500 | 45,000 |
自動車重量税 | 12,300 | 16,400 | 16,400 |
自賠責保険 | 12,422 | 12,806 | 12,806 |
合計 | 35,522 | 63,706 | 74,206 |
【付録②】他の人は、どんな理由で軽自動車を選んでいるの?軽自動車の売れ行きは?信頼できるアンケート調査や統計で確認しました。
信頼できるアンケート調査や統計をもとに、軽自動車が選ばれる理由と、その売れ行きを調べました。
ソニー損保『全国カーライフ実態調査』
ソニー損保は、毎年『全国カーライフ実態調査』を実施しています。
2019年の調査結果から、軽自動車が選ばれる理由を、回答者数の多い順に並べました。

やはり、1番目、3番目、4番目は、いずれもコストの低さに関する項目です。
2番目には、運転のしやすさがあがっています。コンパクトボディならではの扱いやすさも、選ばれる理由になっているようです。
軽自動車は売れ行きは?
一般社団法人日本自動車協会連合会のデータをもとに、2017~2021年の車種別の新車販売台数をグラフに表しました。
ちなみに、普通乗用車は白の3ナンバー車、小型乗用車は白の5ナンバーまたは7ナンバー車です。
軽乗用車は2019年以降減少に転じています。ただし、小型乗用車(=コンパクトカー)ほどの急降下ではありません。
一方、普通乗用車は堅調です。
ハイブリッドシステムなど、省エネ機構の普及による経済性向上が、影響しているのかもしれません。