事故でけがをしたとき、亡くなったときの保険の相場を解説します。
自動車保険は複数の保険が集まってできています。そして、集まっている保険は、人の生死や健康に関するものと、所有物・財産の損害に関するものとにわかれています。
このページでは、人の生死や健康に関する保険=傷害保険の加入実態やご留意いただきたいポイントを解説します。
自動車保険の傷害保険には、種類がいくつかあって、わかりにくいです。
傷害保険の種類
自動車保険の傷害保険は5つあって、大きく2つのグループに分類できます。
事故の相手の傷害 に備える |
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自分たちの傷害 に備える |
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自賠責保険は、加入することが法律で義務付けられている強制保険のことです。どの損害保険会社に加入しても、補償内容も保険料も同じです。
自動車事故で他人にケガをさせたときは、まず自賠責保険で相手に損害賠償します。ただし自賠責保険には上限があるので、全額を賠償できないことがあります。
そのときは、足りない分が対人賠償保険から支払われます。
対人賠償保険については対人・対物賠償は、無制限でをご覧ください。
「自分たちの傷害に備える」ための保険については、下で解説します。
自分たちが傷害を負ったときに使える保険
自分たち(記名被保険者、同乗者)が死傷したときに使える4つの保険の概要を下表にまとめました。
人身傷害保険 |
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搭乗者傷害保険 |
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無保険車傷害保険 |
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自損事故傷害保険 |
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無保険車傷害保険と自損事故傷害保険の取り扱いは、商品によっては上表とは異なります。
だとしても、実際の保険金の支払われ方は同じになります。
無保険車傷害保険と自損事故傷害保険はスルー
無保険車傷害保険と自損事故傷害保険の2つは、補償プランを検討するときには無視できます。
というのは、加入者がどうこうできない保険だからです。付け外しできないし、補償内容を変更することもできません。
ただし、事故のときに請求を忘れないように、どんな保険かはよく理解しておきたいです。
柱は人身傷害保険です。搭乗者傷害保険は急速に廃れつつあります。
加入率の実態
損害保険料率算出機構『自動車保険の概況』をもとに、対人賠償保険、人身傷害保険、搭乗者傷害保険の加入率(自動車保険加入者の何%が加入しているか)を算出しました。
年度 | 2021 | 2020 |
---|---|---|
対人賠償保険 | 99.7% | 99.7% |
人身傷害保険 | 92.8% | 92.5% |
搭乗者傷害保険 | 32.0% | 32.9% |
対人賠償保険は、ほとんどの商品で必須になっています。加入率が100%近いのは当然でしょう。
人身傷害保険も、対人賠償保険ほどではありませんが、必須とする商品は増えています。そのせいもあるのでしょうが、90%を超えています。
それに対し、搭乗者傷害保険は30%近くまで落ち込んでおり、しかもまだ減り続けています。
消滅に向かう搭乗者傷害保険
人身傷害保険と搭乗者傷害保険が共存している経緯
もともと、自分たちがケガをしたときの補償は、搭乗者傷害保険が担ってきました。
ところが損害保険各社は、2000年頃から、新たな保険として人身傷害保険をと投入し始めました。そのため、同じような役割の2つの保険が共存することになりました。
そうしたわかりにくい状況は、じょじょに解消に向かっています。しかし、もうしばらくは続きそうです
現在の状況
人身傷害保険と搭乗者傷害保険の取り扱いについては、次の3パターンにわかれています。
- 人身傷害保険が搭乗者傷害保険を完全に吸収(搭乗者傷害保険は消滅)
- 実質的に一体化(少なくとも、2つの保険のどちらか1つには加入しなければならない)
- 2つの保険を別々に扱う
2023年時点で、すでに代理店型自動車保険の大半では“搭乗者傷害保険”という言葉が出てきません。
たとえば東京海上日動の自動車保険の場合、下図のようになっています。
人身傷害保険は、実際の損害額を補償する保険です。もし人身傷害保険の中に、定額(加入・更新のときに決めた金額を受け取ることができる)の保険金が見つかったら、元は搭乗者傷害保険だったのかもしれません。
実際の損害額が支払われる保険金は、金額の過不足が起こりにくいです。しかし、損害額が確定した後(=治療などが終わった後)でないともらえません。
一方、定額の保険金は、金額の過不足は起こりやすいですが、治療前や治療中に受け取ることができます。
- 損害保険料率算出機構『自動車保険の概況』〔外部リンク〕
- 傷害に関する保険の相場
- 人身傷害保険は必要?保険金額は?
- 人身傷害保険と搭乗者傷害保険の使い分け
- 生命保険・医療保険があれば、人身傷害保険は不要?
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