チューリッヒ保険の自動車保険の、補償・サービス内容、評判・顧客満足度、企業としての信頼性などを、徹底解説します。
チューリッヒ保険は、スイスに本拠を置く、世界的な保険グループです。
日本での営業開始は30年以上前で、精力的な広告・宣伝戦略の成果もあってか、日本市場にすっかり定着しています。

そんなチューリッヒ保険の、自動車保険の補償・サービス内容、評判・顧客満足度、企業としての信頼性などを、徹底解説します。
なお、チューリッヒ保険は、個人・一般家庭向けに2つの自動車保険を販売しています。
このページでは、主力商品の『スーパー自動車保険』をご案内します。
保険料の安さに特化したもう一つの商品、『ネット専用自動車保険』については、以下で解説しています。
チューリッヒ保険の、企業としてのプロフィールを、簡単にご案内します。
損害保険会社としての、チューリッヒ保険の特徴を簡単にまとめると、以下の3点に集約されます。
チューリッヒ保険は世界的な保険グループ
チューリッヒ保険は、スイスに拠点を置き、世界中で保険事業展開しています。
日本で営業している損保会社のうち、米国の経済誌フォーチュン誌が毎年発表しているグローバル500(世界の企業の収益ランキング・トップ500)2021年版に名前がある会社を、ピックアップしました。
500社の中での順位です。また、金額は年間収益で単位は百万ドルです。
46位 | アクサ(フランス) | 128,011 |
---|---|---|
168位 | チューリッヒ保険(スイス) | 59,001 |
208位 | 東京海上グループ(日本) | 51,516 |
245位 | MS&ADインシュアランスグループ(日本) | 46,149 |
331位 | SOMPOグループ(日本) | 36,283 |

チューリッヒ保険は、日本の大手損保グループを上回っています。
国内売上高は12位
チューリッヒ保険の日本国内での売上高は、業界第12位です。
下図は、2021年度の、損保業界売上高(正味収入保険料)順のグラフです。
ちなみに、8位のソニー損保以下がダイレクト型です。
チューリッヒ保険は、ダイレクト(ネット通販)損保
損害保険会社は、大きく代理店型損保とダイレクト損保に分けられます。
チューリッヒ保険はダイレクト損保です。
ダイレクト損保には代理店がなく、消費者はネットや電話で損害保険会社と直接やり取りします。

そのため顧客のやることは代理店型より多くなりますが、保険料は代理店型より安くなります。
ダイレクト型は、これらのことをセルフでやる必要があります。
チューリッヒ保険の事故対応の評判は、大手損保より劣ります。好評とは言えません。
自動車保険の補償内容は、どの商品も似通っています。商品の差が出やすいのは、「どんな補償があるか」より、「どの程度の品質で補償が提供されるか」です。
そこで、中立的なマーケティング調査会社による、規模の大きな顧客満足度調査をまとめました。
J.D.パワーの事故対応ランキング
米国に拠点を置く世界的マーケティング調査会社J.D.パワーは、事故対応の顧客満足度調査を毎年実施し、ランキングを公表しています。

チューリッヒ保険と、比較用に大手損保4社の順位を下表にまとめました。
2022 | 2021 | 2020 | |
---|---|---|---|
チューリッヒ保険 | 10位 | 7位 | 10位 |
あいおいニッセイ同和 | 5位 | 9位 | 7位 |
損保ジャパン | 3位 | 2位 | 1位 |
東京海上日動 | 7位 | 3位 | 4位 |
三井住友海上 | 4位 | 5位 | 6位 |
チューリッヒ保険の評判は、大手損保より低い水準と考えられます。
価格コムの事故対応ランキング
価格コムも、毎年自動車保険の顧客満足度ランキングを発表しています。

このランキングでは、トップ10のみ公表されます(10位より下は圏外)。
2023 | 2022 | 2021 | |
---|---|---|---|
チューリッヒ保険 | 圏外 | 圏外 | 圏外 |
あいおいニッセイ同和 | 10位 | 6位 | 9位 |
損保ジャパン | 7位 | 5位 | 8位 |
東京海上日動 | 4位 | 10位 | 7位 |
三井住友海上 | 5位 | 3位 | 5位 |
3年とも圏外なので、評判が良いとは言いにくいです。
チューリッヒ保険の評判は大手損保より低い水準にあり、好評ではないと考えられます。
オリコンの事故対応ランキング
オリコンも、毎年自動車保険の顧客満足度ランキングを発表しています。

このランキングでも、トップ10のみ公表されます。
なお、このランキングは部門数が多くて(事故対応にかかわる部門だけで3つ)、かえってわかりにくいです。そこで、3部門のポイントを集計して、順位を振り直しました。
2023 | 2022 | 2021 | |
---|---|---|---|
チューリッヒ保険 | 圏外 | 圏外 | 圏外 |
あいおいニッセイ同和 | 6位 | 8位 | 圏外 |
損保ジャパン | 5位 | 4位 | 5位 |
東京海上日動 | 4位 | 6位 | 4位 |
三井住友海上 | 9位 | 5位 | 3位 |
チューリッヒ保険は3年とも圏外です。
チューリッヒ保険の評判は大手損保より低い水準にあり、好評ではないと考えられます。
好評とは言えないが、許容範囲か?
3つのランキングとも、チューリッヒ保険の顧客満足度は大手損保4社より低いという結果でした。
チューリッヒ保険の自動車保険は、少なくとも品質では選べないようです。
チューリッヒ保険の自動車保険の補償内容(保険・特約・サービス)の特徴を調べました。
自動車保険は、どの商品でも、基本的な補償内容(保険・特約・サービス)は共通しています。
なぜなら、自動車保険(=任意保険)は、自賠責保険(=強制保険)の弱点を補うという社会的使命があるからです。
ただし、すべての自動車保険の中身が同じ、ということではありません。
基本的な部分は共通ですが、それを補強する機能(特約やロードサービス等)には、各損害保険会社なりの工夫があります。
チューリッヒ保険の補償内容の特徴
チューリッヒ保険の自動車保険の補償には、以下のような特徴があります。
- 特約の数・種類は、ダイレクト型として標準的。
- ロードサービスは、業界トップクラスの充実ぶり。
下でより詳しくご説明します。
特徴ある特約・サービス
チューリッヒ保険の自動車保険の特約とロードサービスの概要を下表にまとめました。
ただし、他社では特約になっていることが多い保険金も載せています。
赤字が他社であまり見かけないもので、末尾に*があるのは自動セットされている特約です。
対人賠償保険 |
|
---|---|
対物賠償保険 |
|
人身傷害保険 |
|
車両保険 |
|
ロードサービス |
|
全体の特約等 |
|
人身傷害定額払保険は、搭乗者傷害保険のリニューアル版です。これと人身傷害保険の両方が自動セットされます。ダイレクト型としては厚めです。
特約の数は
ダイレクト型としては標準的な数で、代理店型と比べるとやや少ないです。
特殊な補償をご希望でないなら、必要十分と思われます。
それに比べて
ロードサービスはアンバランスなまでに充実しています。
サービスメニューが他社より多いだけでなく、無料の範囲も広くとられています。
ある意味、ロードサービスが主役です。
長距離ドライブが多い人に、注目して欲しい補償・サービス内容です。
チューリッヒ保険の保険料を、代理店型とダイレクト(ネット通販)型の相場と比較しました。
チューリッヒ保険『スーパー自動車保険』の保険料をシミュレーションしました。
新規の保険料を相場と比較
新規加入したときの保険料(年払い)を、7パターンの年齢・等級で見積もりし、ダイレクト型の相場と比較しました。

『スーパー自動車保険』の保険料は、20代は相場より安く、30代以降は相場に近い水準です。
2年目からは割高に
ダイレクト型自動車保険のほとんどが、インターネット割引を実施しています。この割引は、➊割引額が大きい、➋更新すると、割引額が変動するので要注意です。
『スーパー自動車保険』のインターネット割引は、以下のようになっています(2023年現在)。
- 初めの年は最大20,000円の割引(元の保険料により変動)
- 2年目は最大5,000円の割引(元の保険料により変動)
- 3年目以降は一律1,500円の割引
加入してから4年間の保険料の推移をシミュレーションしました。35歳10等級で新規加入し、その後無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。
比較のために、代理店型の三井住友海上の保険料も載せています。

さすがに『スーパー自動車保険』の方がすべて安いです。しかし、2年目3年目と差が縮まっています。『スーパー自動車保険』インターネットの割引が小さくなるからです。
そして3年目以降の保険料は、三井住友海上との差が小さいです。複数年では『スーパー自動車保険』の保険料は割高です。
【結論】チューリッヒ保険『スーパー自動車保険』の評判・評価をまとめました。
ここまでに説明してきたチューリッヒ保険『スーパー自動車保険』の評判・評価をまとめると、次のようになります。
補償・サービス | 補償内容の手厚さは平均的なレベルだが、ロードサービスは業界トップクラスの充実感。 |
---|---|
事故対応の評判 | 大手損保より劣る。 |
保険料 | 新規加入の保険料はダイレクト型の相場に近いが、複数年では割高。 |
その他 | 他に、安さが売りの『ネット専用自動車保険』がある。 |
この自動車保険のお勧め度は?
品質の評判が悪いのに、複数年で見たときの保険料は割高です。『スーパー自動車保険』のお勧め度は低いです。
チューリッヒ保険を選ぶなら、業界トップクラスの安さが自慢の『ネット専用自動車保険』の方をお勧めします。
ご自身の見積もり条件で、実際に比較
『スーパー自動車保険』を検討されている方々には、ライバル商品とよく比較していただきたいです。
とはいえ、商品によって中身が違うので、複数の自動車保険の見積もりを、条件をそろえて作成するのには、想像以上に手間と時間がかかります。
それどころか、誤解や思い込みで、まちがった見積もりをする危険もあります。

そこで、無料の一括見積もりサービスをおすすめします。
1回の入力で、おもな自動車保険の見積もりが一気にお手元に集まります。
時間と労力の節約効果は、想像以上です。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。

チューリッヒ保険は、精力的に広告宣伝を展開する、ダイレクト(ネット通販)型の一つです。
保険を通信販売するダイレクト損保にとって、メディアによる広告・宣伝は重要です。
チューリッヒ保険は、そのお手本のように、積極的にメディアに露出しています。
2006年から、同社のCMに出演を続けているのが松木里菜さんです。
こちらはその初期、2007年に放映されていたCMです。

次は、2009年の「友だちに教えたい」篇です。

こちらが最近の「新・お客様とオペレーター」篇です。

一方、2015年からは、俳優の石丸幹二さん出演のCMも放映されています。

また、チューリッヒ保険は、WEB専用のCM動画も制作・公開しています。
2018年の「チアダンス」篇は、坂ノ上茜さんの歌とダンスが話題になりました。

ここ最近、テレビCMの新作は制作されていないようです。もちろん、金額等は最新状態になっているはずですが。