イーデザイン損保の自動車保険の、補償・サービス内容、評判・顧客満足度、保険料の水準などを、徹底解説します。
イーデザイン損保は、ダイレクト損保の中でも後発なので、売上の規模はまだまだです。
しかし、名門東京海上グループのネット通販事業を担う企業として、成長を続けています。

イーデザイン損保は、現在、個人向けに2つの自動車保険を販売しています。新商品「&e(アンディー)」と、創業から販売を続けている従来商品です。
このページでは従来商品について解説します。
もっとも、2024年3月末をもって従来商品は販売終了となります。

他の自動車保険に乗り換えるときの注意点。
ダイレクト型なら安くなる
イーデザイン損保の自動車保険を更新するタイミングで、他のダイレクト型自動車保険に乗り換えれば、そのまま更新するより、保険料は安くなる可能性が高いです。
下のグラフは、更新して35歳10等級になったときと、他の自動車保険に乗り換えたときの保険料を比較しています。
他の自動車保険の例として、(ダイレクト型の中で)保険料が高めの3つの商品をピックアップしています。
ご覧のように、他の商品に乗り換えるほうが、保険料は安くなりそうです。こうなる理由は、次の2点です。
- 従来商品の価格設定が、もともと高い。
- インターネット割引が適用されるので、新規加入するほうが価格的に有利である。
ダイレクト型自動車保険のほとんどにインターネット割引があります。
仕組みや割引の大きさは商品ごとに異なりますが、その大半は、1年目の割引が大きく、2年目以降割引がダウンします。
2年目から大きく値上がりする商品に注意
他の商品に乗り換えて安くできたとしても、次の更新のときに大幅に値上がりするのは困ります。
2023年7月時点の、各社のインターネット割引を下表にまとめました。
※印があるのは、保険料の大きさにより割引額が変動します。表の金額は最大の割引額です。
損保 | 1年目 | 2年目 以降 |
---|---|---|
アクサダイレクト※ | 20,000円 | 2年目8,000円 その後1,000円 |
イーデザイン損保「&e」 | なし | |
SBI損保 | 14,000円 | 10,000円 |
セコム損保 | 3,500円 | 2,000円 |
セゾン自動車火災 | 14,000円 | 10,000円 |
ソニー損保 | 10,000円 | 2年目5,000円 その後2,000円 |
チューリッヒ保険※ | 20,000円 | 2年目5,000円 その後1,500円 |
三井ダイレクト損保※ | 10,000円 | 2年目6,000円 その後3,000円 |
楽天損保 | 25% | 25% |
背景色が水色なのが、割引の落差が大きくなりやすい商品です。
これらの商品を候補に加えるときは、更新のときに、あらためて競合商品と保険料を比較しましょう。
自動車保険の本来の価格水準がわかるのは、3年目くらいからなのですね・・・
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損害保険会社のホームページにいくと、どこも見積もりができるようになっています。それぞれに、わかりやすく、操作しやすいように作られています。
しかし、複数の自動車保険の見積もりを、ひとつひとつ条件をそろえて実施するのは、なかなか手間と時間がかかります。

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このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。

イーデザイン損保の、企業としてのプロフィールを、簡単にご案内します。
損害保険会社としての、イーデザイン損保の特徴を簡単にまとめると、以下の3点に集約されます。
東京海上グループのダイレクト(ネット通販)損保
日本国内には、3つの巨大な損保グループがあります。MS&ADグループ(あいおいニッセイ同和、三井住友海上など)、SOMPOグループ(損保ジャパンなど)東京海上グループ(東京海上日動など)の3つです。
2020年度の、3つの損保グールプの市場シェアは、以下のようになりました。
3つのグループで、市場シェア86%を占めています。
イーデザイン損保はその一つ東京海上グルーブの唯一のダイレクト損保です。

損保業界で14位、ダイレクト(ネット通販)型で6位
2022年度の、損保業界売上高(正味収入保険料)順のグラフです。
イーデザイン損保は、業界全体では15位と、まだまだ下位に位置しています。
会社設立は2009年と、ダイレクト損保の中でも後発の会社なので、現時点で売上規模が小さいのはしかたがないかもしれません。
イーデザイン損保は、ダイレクト(ネット通販)型
損害保険会社は、大きく代理店型損保とダイレクト損保に分けられます。
イーデザイン損保はダイレクト損保です。
ダイレクト損保には代理店がなく、消費者はネットや電話で損害保険会社と直接やり取りします。

そのため顧客のやることは代理店型より多くなりますが、保険料は代理店型より安くなります。
ダイレクト型では、代理店がおこなう加入・更新~契約変更~保険金請求などの諸手続きでのサポートがありません。
これらのことをセルフでやる必要があります。
イーデザイン損保の自動車保険の補償内容(保険・特約・サービス)の特徴を調べました。
自動車保険の基本部分は業界共通
自動車保険の基本的な仕組みや補償内容は、業界内で共通しています。
なぜなら、自動車保険(=任意保険)は、自賠責保険(=強制保険)の弱点を補うという社会的使命があるからです。
そのため、差が出るのは、基本機能を補強する補償・サービスです。
イーデザイン損保の補償内容の特徴をチェック
イーデザイン損保の自動車保険の、補償の概要を下表にまとめました。
赤字が他社であまり見かけないもので、末尾に*があるのは自動セットされている特約です。
対人賠償保険 | 対人臨時費用保険金* |
---|---|
対物賠償保険 |
|
人身傷害保険 |
|
車両保険 |
|
ロードサービス |
|
全体の特約等 |
|
厚くするところ薄くするところのメリハリが、他社の自動車保険よりハッキリしています。
厚いところ |
|
---|---|
薄いところ |
|
全体的には、平均的なドライバーが良く使う補償を充実させて、それ以外の補償はほどほどにという印象です。
イーデザイン損保の顧客対応・事故対応の評判は、まずまず良さそうです。
上で説明したように、補償内容に大きな違いはないので、補償が提供されるときの品質や迅速さもぜひチェックしたいです。
このサイトでは、中立公正さや客観性を期待できる情報源として、以下のものを参考にしています。
イーデザイン損保についての苦情の量は?
日本損害保険協会が公表している、協会が受け付けた損保各社に対する苦情件数をもとに、過去2年度の各社の苦情発生率をランク分けしました。
ただし、代理店型損保とダイレクト損保は、販売形態・取り扱う保険商品・客層などの違いから、同じステージで比較できません。下表は、ダイレクト損保を対象としています(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2022年度 | 2021年度 |
---|---|---|
少ない |
|
|
やや少ない |
|
|
ふつう |
|
|
やや多い |
|
|
多い |
|
|
イーデザイン損保への苦情の量は、ダイレクト損保としては平均的です。
自動車保険の解約の発生率は?
下は2022年度の、おもな損保会社の、自動車保険解約発生率ランキングです(1位がもっとも解約が少ない)。赤い文字がダイレクト型です。
順位 | 会社名 |
---|---|
1位 | SBI損保 |
2位 | ソニー損保 |
3位 | 三井ダイレクト損保 |
4位 | セゾン自動車火災 |
5位 | AIG損保 |
6位 | 共栄火災 |
7位 | 三井住友海上 |
8位 | イーデザイン損保 |
9位 | アクサダイレクト |
10位 | あいおいニッセイ同和 |
11位 | 日新火災 |
12位 | 損保ジャパン |
13位 | 東京海上日動 |
14位 | セコム損保 |
15位 | 楽天損保 |
16位 | チューリッヒ保険 |
イーデザイン損保の解約発生率は平均的なレベルです。
自動車保険の売上の伸び率
自動車保険は、原則1年満期で、満期のときに他社商品に乗り換えてもリスクはありません。
ですから、保険の中でも、自動車保険は、加入者の満足度が売上に反映しやすいと考えられます。
そこで、過去2年度の自動車保険の売上の対前年伸び率を、業界平均と比較しました。
イーデザイン損保の伸び率は、2022年度に大きく下落しました。
2021年の年末に販売開始した「&e」が、かなり不調なようです。
J.D.パワーの事故対応ランキング
米国に拠点を置く世界的マーケティング調査会社J.D.パワーは、事故対応の顧客満足度調査を毎年実施し、ランキングを公表しています。

イーデザイン損保と、比較用に大手損保4社の順位を下表にまとめました。
損保市場で圧倒的なシェアを持つ大手損保4社は、品質の面でも“業界標準”と考えられるからです。
2022 | 2021 | 2020 | |
---|---|---|---|
イーデザイン損保 | 8位 | 8位 | 2位 |
あいおいニッセイ同和 | 5位 | 9位 | 7位 |
損保ジャパン | 3位 | 2位 | 1位 |
東京海上日動 | 7位 | 3位 | 4位 |
三井住友海上 | 4位 | 5位 | 6位 |
イーデザイン損保の順位は、2021年、2022年ともに8位で、大手損保の下位と同じくらいです。
控え目に見ても、大手損保に近いレベルの事故対応を期待できそうです。
顧客対応・事故対応にはまずまず期待できそう
ここまでご覧いただいたことを整理すると、次のようになります。
- ダイレクト損保の中で、苦情の量は平均的。
- 途中解約はやや少ない。
- 自動車保険の売上高は、2022年度に急ブレーキ。
- 顧客満足度ランキングで大手損保に近いレベルの評判。
イーデザイン損保の評判は、ダイレクト型の中では中の上といったあたりで、大手損保に準ずる品質を期待できそうです。
売上の下落は気になりますが、品質が原因とは考えにくいです。
イーデザイン損保は、精力的に広告宣伝を展開する、ダイレクト(ネット通販)型の一つです。
保険を通信販売するダイレクト損保にとって、メディアによる広告・宣伝は重要です。
イーデザイン損保も、広告・宣伝には積極的です。
初代のCMキャラクターは岡田茉奈さん。2010年から一人で頑張っていました。こちらが、当時のテレビCMの一場面です。

同じような演出で、2014年に土屋太鳳さんにバトンタッチしました。

2015年に入って織田裕二さんが加わり、全面リニューアル。

大物俳優と人気若手女優の共演で、イーデザイン損保のCMのイメージが大きく変わりました。
2019年になって、土屋太鳳さんが宮本茉由さんに交代。熱演の織田さんと対照的に、クールに演じています。

下は2021年末から放映開始の「私のタントウシャ」篇です。このところ、織田さん単独のCMが目につきます。

なお、2022年春から、新商品『&e』に軸足を置いた広告戦略に切り替わりました。