三井ダイレクト損保の自動車保険の、補償・サービス内容、評判・顧客満足度、企業としての信頼性などを解説します。
三井ダイレクト損保は、国内最大規模の損保グループMS&ADインシュアランスグルーブの、ダイレクト損保会社です。

三井ダイレクト損保の、自動車保険の補償・サービス内容、評判・顧客満足度、企業としての信頼性などを解説します。
三井ダイレクト損保の、企業としてのプロフィールを、簡単にご案内します。
損害保険会社としての、三井ダイレクト損保の特徴を簡単にまとめると、以下の3点に集約されます。
MS&ADインシュアランスグルーブの会社
日本国内には、3つの巨大な損保グループがあり、市場シェアの80%以上を占めています。
その中でも、トップに立っているのがMS&ADインシュアランスグルーブです。グループのリーダー格は、三井住友海上とあいおいニッセイ同和です。

2020年度の、3つの損保グールプの市場シェアは、以下のとおりです。
MS&ADインシュアランスグルーブがトップです。
他の2つのグループは、東京海上日動率いる東京海上グループと、損保ジャパン率いるSOMPOグループです。
損保業界で13位の売上高
2021年度の、損保業界売上高(正味収入保険料)順のグラフです。
三井ダイレクト損保は13位です。ダイレクト損保の中では、中の下くらいの売上規模です(ソニー損保以下がダイレクト損保です)。
三井ダイレクト損保は、ダイレクト(ネット通販)型
損害保険会社は、大きく代理店型損保とダイレクト損保に分けられます。
三井ダイレクト損保はダイレクト損保です。
ダイレクト損保には代理店がなく、消費者はネットや電話で損害保険会社と直接やり取りします。
そのため顧客のやることは代理店型より多くなりますが、保険料は代理店型より安くなります。
三井ダイレクト損保の顧客満足度、評判・人気を、さまざまな角度からチェックしました。
下で説明しますが、自動車保険の補償内容に、商品ごとの大きな違いはありません。
たからこそ、顧客満足度や評判をチェックして、その品質を知っておきたいです。
三井ダイレクト損保についての苦情の量は?
日本損害保険協会が公表している、協会が受け付けた損保各社に対する苦情件数をもとに、過去2年のダイレクト損保の苦情発生率をランク分けしました(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2021年度 | 2020年度 |
---|---|---|
少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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|
やや多い |
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|
多い |
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三井ダイレクト損保への苦情の量は、ダイレクト損保としてはふつうです。
自動車保険の解約の発生率は?
損害保険各社の決算資料をもとに、過去2年度の自動車保険の解約発生状況を、ランク分けしました。
解約の量 | 2021年度 | 2020年度 |
---|---|---|
少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
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|
多い |
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三井ダイレクト損保は、解約が少ない損保会社です。
自動車保険の売上の伸び率
自動車保険は、原則1年満期で、満期のときに他社商品に乗り換えてもリスクはありません。
ですから、加入者の満足度は売上に反映されやすいと考えられます。
そこで、過去2年度の自動車保険の売上の対前年伸び率を、業界平均と比較しました。
三井ダイレクト損保は売上不振で、しかも悪化しています。
J.D.パワーの事故対応ランキング
米国に拠点を置く世界的マーケティング調査会社J.D.パワーは、事故対応の顧客満足度調査を毎年実施し、ランキングを公表しています。

三井ダイレクト損保と、比較用に大手損保4社の順位を下表にまとめました。
損保市場で圧倒的なシェアを持つ大手損保4社は、品質の面でも“業界標準”と考えられるからです。
2022 | 2021 | 2020 | |
---|---|---|---|
三井ダイレクト損保 | 12位 | 10位 | 9位 |
あいおいニッセイ同和 | 5位 | 9位 | 7位 |
損保ジャパン | 3位 | 2位 | 1位 |
東京海上日動 | 7位 | 3位 | 4位 |
三井住友海上 | 4位 | 5位 | 6位 |
三井ダイレクト損保の事故対応は、大手損保と比べて、品質面で下回っています。
顧客対応・事故対応にはまずまず期待できそう
ここまでご覧いただいたことを整理すると、次のようになります。
- ダイレクト損保の中で、苦情の量は平均的。
- 途中解約は少ない。
- 売上高は不調が続いている。
- 事故対応ランキングは、大手損保より低い評判。
顧客満足度は大幅に悪くはないけれど、売上不振の理由が気になります。
三井ダイレクト損保の自動車保険の補償内容(保険・特約・サービス)の特徴を調べました。
自動車保険の基本部分は業界共通
自動車保険の基本的な仕組みや補償内容は、業界内で共通しています。
なぜなら、自動車保険(=任意保険)は、自賠責保険(=強制保険)の弱点を補うという社会的使命があるからです。
そのため、差が出るのは、基本機能を補強する補償・サービスです。
三井ダイレクト損保の補償内容の特徴をチェック
三井ダイレクト損保の自動車保険の特約とサービスの概要を下表にまとめました。
赤字が他社であまり見かけないもので、末尾に*があるのは自動セットされている特約です。
対人賠償保険 | |
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対物賠償保険 |
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人身傷害保険 |
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車両保険 |
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ロードサービス |
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全体の特約等 |
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特約を組み合わせることで、補償の厚さをきめ細かく調整できる仕組みになっています。
とくに、搭乗者傷害保険のこれだけきめ細かく微調整できる商品は珍しいです。
また、専用ドライブレコーダーによる安全サポート(ドラレコ特約)は、代理店型自動車保険ではおなじみですが、ダイレクト型では珍しいです。
一方、ロードサービスに宿泊・帰宅費用の補償は含まれておらず、他社より薄いです。
ダイレクト型初のドラレコ特約
三井ダイレクト損保が2023年1月から開始したサービス、「レスキュードラレコ」は、ダイレクト型では初めての専用ドライブレコーダーを使った安全運転サポートです。

この特約を付けると、次のようなサービスを受けることができます。
- 一定以上の衝撃を検知されると、自動でオペレーターにつながり、通話できる。
- 事故映像が損保会社に自動送信される。損保会社で事故状況を分析。
- 運転診断など、安全運転を支援する機能がある。
もっとも、この特約が提供開始される1ヵ月ほど前に新発売されたイーデザイン損保「&e(アンディー)」でも、専用機器を用いた安全運転サポートが提供されています(無料)。
ただし、サービス内容は、三井ダイレクト損保のドラレコ特約の方が厚いです。
三井ダイレクト損保の保険料を、ダイレクト(ネット通販)型の相場と比較しました。
新規加入の保険料を比較
相場と7つのパターンで比較
三井ダイレクト損保の保険料を、ダイレクト型自動車保険の相場と比べました。
7パターンの年齢・等級に分けて、保険料を見積もりシミュレーションしました。車両保険は無しです。

20代はダイレクト型の相場より高いですが、30代以降は相場に近い価格設定です。ダイレクト型の相場にかなり近い価格水準です。
見積もり条件によっては割安感アップ
平均的な見積もり条件ですと、上のように相場に近い価格水準ですが、見積もり条件を変えると、割安感がアップします。
例として、見積もり条件の一つ、年間走行距離を変えたときの保険料を、安さに定評のあるSBI損保と比較しました(35歳10等級、車両保険無しでの、年払い保険料)。
5,000kmと10,000kmとは、SBI損保のほうが安くなっています。しかし、20,000kmは三井ダイレクト損保のほうが安くなりました。
ダイレクト損保は、事故発生率が高くなる条件下で、保険料を高めに設定することが多いです。SBI損保も、そういう方針のようです。
一方、三井ダイレクト損保の価格設定は、そういった偏りが少ないようです。そのため、ライバルが高くなる見積もり条件で、割安感がアップする期待を持てます。
複数年で見ると・・・
ほとんどのダイレクト型自動車保険には、インターネット割引があります。三井ダイレクト損保も例外ではありません。その割引額は、次のようになっています(2023年5月時点)。
- 初めの年は最大10,000円の割引(元の保険料により変動)
- 2年目は最大6,000円の割引(元の保険料により変動)
- 3年目以降は一律3,000円の割引
加入してから4年間の、保険料の推移をシミュレーションしたのが、下のグラフです。
35歳10等級で新規加入し、その後無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。
比較のために、チューリッヒ「スーパー自動車保険」の保険料も載せています。

どちらも2年目以降に保険料が高くなっています。インターネット割引がダウンするせいです。
ただし、三井ダイレクト損保の方がダウンの幅が少ないため、複数年で比較すると、かなり割安に見えます。
三井ダイレクト損保の保険料は長く続ける人にとって割安な価格設定です。
長く続けるつもりで加入するときは、1年目の保険料だけで、割安感を判断してはいけないのですね!
【結論】三井ダイレクト損保の自動車保険についての評判・評価をまとめました。
評判・評価のまとめ
ここまでに説明してきた三井ダイレクト損保の自動車保険の評判・評価をまとめると、次のようになります。
補償・サービス | 補償内容はダイレクト型として標準的。ロードサービスは他社より薄い。 |
---|---|
事故対応の評判 | 顧客満足度は悪くなさそうだが、人気はない。 |
保険料 | 1年目はダイレクト型の相場並みだが、長く続けると割安感が高い。 |
その他 | 日本最大の損保グループの系列会社という安心感がある。 |
商品内容でも、人気・評判の盛り上がりの面でも、目につくような魅力はありません。
ただし、見積もり条件によっては割安感があります。安さを重視されるなら、候補に残したい商品です。

ご自身の見積もり条件で、実際に比較
相場に近い価格帯は、競合がひしめき合っています。主な商品の保険料を具体的に算出し、比較して選んでください。
ただ、商品によって中身が違うので、複数の自動車保険の見積もりを、条件をそろえて作成するのには、想像以上に手間と時間がかかります。

そこで、無料の一括見積もりサービスをおすすめします。
1回の入力で、おもな自動車保険の見積もりが一気にお手元に集まります。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。

三井ダイレクト損保は、精力的に広告宣伝を展開する、ダイレクト(ネット通販)型の一つです。
三井ダイレクト損保のようなダイレクト型は、広告・宣伝を通して消費者に働きかけないと、売り上げにつながりません。
そのため、ダイレクト型損保には、広告・宣伝に熱心な会社が多いです。
ここ10年くらいの三井ダイレクト損保のCMを振り返ると、2010~2014年にかけては高山侑子さんがCMに出演していました。

2014~2015年は、宮武美桜さんがCMに出演していました。出演者は変わっても、「3つのいい!」は一貫しています。

2016年から路線変更したようで、俳優の仲村トオルさんがCMに出演されています。

2018年には、再び若い女性にもどりました。女優の本田翼さんです。
女性に回帰したとは言え、知名度の高い女優さんの起用は新機軸です。

2021年には、有名俳優・タレントを起用を止め、ストーリー性重視に舵を切りました。

しかし、2022年の終盤になると、商品コンセプト変更に合わせて、遠藤憲一さんと奈緒さんの二人の俳優がCMキャラクターに起用されました。
