古い旧車の修理代を自動車保険で準備するときに、これを知らないと大失敗します!ご注意ください。
車の修理代を準備する保険は車両保険です。ただし、車両保険は古い車の補償が苦手です。
このページでは、旧車を大切に使いたいオーナー様向けに、車両保険の仕組みや、その弱点を補う方法を解説しています。
車によっては、車両保険に入ることができません。どんな車が断られるのかを説明します。
自動車保険は、統計データを元に危険性を判定し、それに合わせて保険料を決めています。
ということは、危険性の判定が難しいときや、危険性が著しく大きいときは、受け付けてくれません。
車両保険に申し込んでも断られる危険性が大きな車の特徴には、以下があります。
- 発売から年数が経過して、部品の入手が困難な車。
- 希少性が高く、修理代を想定できない車。
- 車両保険の料率クラスが17の車。
- 車両価格が1,000万円以上の車。
- 過去に何度も車両保険を使っている場合。

上の2つに該当すると
一般の自動車保険では対応できません。
数は少ないものの、そうした車専門の保険があるので、そちらをご検討ください。
料率クラスとは
損害保険会社が車の型式ごとに設定している、事故の危険度のランクです。
料率クラス17が、危険度最大です。
以下のサイトで料率クラスを調べることができます。
車両保険には、できないことや制限がいくつかあって、がっかりさせられる恐れがあります。
車両保険は一見多機能に見えますが、できないことが意外と多いです。
修理代を保険金でカバーできないかも・・・
車両保険からは、修理代の実費が出ます。
ただし、保険から出る金額には上限があります。それが車両保険の保険金額です。
保険金額は、それぞれの車の時価額(中古車市場での取引価格)を基準に決められています。
そのため、時価額が下がった古い車は、保険金額も小さくなります。
保険金額だけで修理代をまかなえない、ということも起こりえます。
例として、トヨタの人気モデル「アクア」の保険金額をご覧ください。
なお、グレードや装備によって車両価格が前後するので、保険金額には一定の幅があります。

2021年1月登録 | 185〜245万円 |
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2016年1月登録 | 90〜120万円 |
2012年1月登録 | 55〜70万円 |
5年で半分以下、9年で3分の1以下になっています。
経年劣化による故障の修理代は、補償の対象外
車両保険の対象となるのは、偶然な外来の事故による故障の修理です。
通常の使用にともなう劣化が原因の故障は、原則として対象外になります。
そのため、車両保険に入っても、車の維持費が軽減されるとは限りません。
車両保険を使うと、保険料が高くなる
車両保険を使うと、次の更新のときに1等級または3等級ダウンして、保険料が高くなります。
事故には3通りあり、等級が下がらない「ノーカウント事故」、そして「1等級ダウン事故」「3等級ダウン事故」があります。
ノーカウント事故 | 車両保険を使う事故はあてはまらない。 |
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1等級ダウン事故 | 次のような原因の事故。
|
3等級ダウン事故 | 1等級ダウン事故以外。 |
たとえば、現在15等級の人が、3等級ダウン事故で車両保険を使うと、その後の等級と保険料は下図のようになります。

次年度に3等級下がると、保険料の割引率は51%から48%にダウンします。
さらに、3年間は事故あり係数適用期間となって、割引率が低下します。
12等級の場合、本来なら48%割引ですが、27%割引になってしまいます。
車両保険の保険金額を増やせる特約があります。各社の対応状況とおすすめ商品をご案内します。
車両保険から出る金額は、原則として車の時価相当額までですが、ほとんどの自動車保険では、その金額を上乗せできる特約が提供されています。
車両超過修理費用特約とか全損時修理費用特約といった名称です。
おもな自動車保険の対応状況
おもな自動車保険の対応状況を、下表に一覧にしました。
あいおいニッセイ同和 |
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アクサダイレクト |
車両全損時臨時費用補償特約 車両保険金とは別に、車両保険金額の5%(10万円限度)が支払われる。 |
イーデザイン損保 |
車両全損時諸費用特約 車両保険金とは別に、車両保険金額の10%(20万円限度)が支払われる。 |
AIG損保 |
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SBI損保 |
全損時諸費用保険金特約 車両保険金とは別に、車両保険金額の10%(20万円限度)が支払われる。 |
共栄火災 |
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セコム損保 |
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セゾン自動車火災 |
車両全損修理時特約 車両保険の保険金額の上限が、50万円アップする。 |
ソニー損保 |
なし |
損保ジャパン |
全損時諸費用保険金 車両保険の標準機能として、全損のときに、保険金額の10%(20万円限度)または10万円のいずれか高い額が、保険金に加算される。また、全損時諸費用再取得時倍額特約を付加すると、この保険金が倍額になる。 |
チューリッヒ保険 |
臨時費用保険金 車両保険の標準機能として、全損のときに、保険金額の5%(10万円限度)が、保険金に加算される。 |
東京海上日動 |
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日新火災 |
車両超過修理費用特約 車両保険の保険金額の上限が50万円アップする。 |
三井住友海上 |
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三井ダイレクト損保 |
車両全損時臨時費用保険金 車両保険の標準機能として、全損のとき、保険金額に10%(ただし20万円を限度)が加算される。 |
楽天損保 |
車両全損時臨時費用補償特約 車両保険の標準機能として、全損のときに、保険金額の10%(20万円限度)が、保険金に加算される。 |
個々の補償内容を見比べると、東京海上日動の「車両全損時復旧費特約」はユニークです。
ただし、保険金額が低くなるほど、ありがたみはなくなります・・・
旧車に向いているのは「上限を△△万円アップする」タイプ
上表を見ると、保険金額の増やし方には、大きく2パターンあります。
- 保険金額の○○%を追加で支払う。
- 車両保険の保険金額の上限を、△△万円アップする。
このうち「保険金額の○○%」タイプは、上乗せされる金額が小さくなりやすいです。
もともと型式が古くて時価が低い車の保険金額を、10%や20%上乗せしたところで、増える金額は少ないでしょう。
「上限を△△万円アップする」タイプの方が、大きな金額を用意しやすいです。
保険金額の上限を50万円アップできる自動車保険
あらためて、上表から「上限を△△万円アップする」タイプをピックアップしました。
- あいおいニッセイ同和
- AIG損保
- 共栄火災
- セコム損保
- セゾン自動車火災
- 日新火災
- 三井住友海上
あいおいニッセイ同和と三井住友海上は、2つの特約を合わせると、最大で50万円の上乗せになるので、他の会社と同等です。
ちなみに、セコム損保とセゾン自動車火災がダイレクト(ネット通販)型で、残りは代理店型です。
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車両保険は保険料が高いので、おもな商品の見積もりを比較して、ベストな商品を選びたいです。
ただ、複数の自動車保険の見積もりを、補償内容を同じにして作成するのは、意外と大変です。

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