楽天損保の自動車保険の、補償・サービス内容、評判・顧客満足度、保険料の水準などを、徹底解説します。
楽天損保は、2018年7月に誕生した、楽天グループの損害保険会社です。

楽天損保の前身、朝日火災は1951年設立の中堅規模の代理店型損保会社でした。
楽天損保になってからさほど年数は経過していませんが、主力商品は一新され、ダイレクト販売(ネット通販)も始まりました。
今後の動向と成長が注目されます。
そんな楽天損保の、自動車保険の補償・サービス内容、評判・顧客満足度、保険料水準などを、徹底解説します。
楽天損保の、企業としてのプロフィールを、簡単にご案内します。
損害保険会社としての、楽天損保の特徴を簡単にまとめると、以下の3点に集約されます。
楽天グループの損害保険会社
楽天グループは、保険業界にも積極的に進出しています。
保険分野の持株会社として楽天インシュアランスホールディングスを設立。その傘下の会社は、2022年1月現在、次の4社です。
- 楽天インシュアランスプランニング
- 楽天生命
- 楽天損保
- 楽天少額短期保険(楽天ペット保険)

楽天損保の売上高は小規模
楽天損保の日本国内での売上高は、業界第16位です。
2021年度の、損保業界売上高(正味収入保険料)順のグラフです。
代理店販売とダイレクト販売(ネット通販)を掛け持ち
損害保険会社は、大きく代理店型損保とダイレクト損保に分けられます。
現時点で、楽天損保は代理店販売とネット通販の両方の販売方法をとっています。よって、代理店型にもダイレクト型にも当てはまります。
ただ、ここ最近の動きを観察していると、ダイレクト販売に力を入れているようです。
2022年度末時点での楽天損保の代理店数は2,843店で、代理店型損保として成長していくには少ない数です。
もし代理店を通して加入しようとしても、近所に代理店が見つからない可能性は高いです。
楽天損保の自動車保険の補償内容(保険・特約・サービス)の特徴を調べました。
自動車保険は、どの商品でも、基本的な補償内容(保険・特約・サービス)は共通しています。
なぜなら、自動車保険(=任意保険)は、自賠責保険(=強制保険)の弱点を補うという社会的使命があるからです。
商品による差が出るのは、基本的な補償を補強する機能です。

楽天損保の自動車保険のおもな補償・サービスを下表にまとめました。
赤字が他社であまり見かけないもので、末尾に*があるのは自動セットされている特約です。
対人・対物賠償保険 |
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人身傷害保険 |
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車両保険 |
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ロードサービス |
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全体の特約等 |
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特徴をまとめると、次のようになります。
- 特約の品ぞろえは、ダイレクト型自動車保険と同レベル(代理店型より少ない)。
- ロードサービスのサービスメニューは比較的充実している。
- 「あんしん事故現場かけつけサービス」がある。
楽天損保『ドライブアシスト』の2つの保険料を、代理店型とダイレクト(ネット通販)型の相場と比較しました。
この商品は代理店申込とネット申込とが可能ですが、ネット申込を選ぶと25%ものインターネット割引が適用されます。
そこで、楽天損保の自動車保険『ドライブアシスト』の保険料を、代理店型自動車保険とダイレクト型自動車保険の相場と比べました。
7パターンの年齢・等級の組み合わせで年払い保険料を見積もり、比較しています。なお、車両保険は無しです。
代理店型の相場と比較
代理店型の相場は、大手損保4社(あいおいニッセイ同和、損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上)の平均をもとにしています。

7パターン中6パターンで、楽天損保の方が高くなりました。代理店で販売されている楽天損保の自動車保険は割高です。
楽天損保の自動車保険に入ると、保険料の2%(楽天カード利用なら3%)の楽天ポイントが付与されます。
これを値引きとみなすと、実質の負担額は、もう少し下がります。
ダイレクト型の相場と比較
楽天損保の保険料は、インターネット割引により25%安くなります。割引後の金額をダイレクト型の相場と比較しました。

比較した全パターンで、楽天損保の方が相場より高くなりました。
複数年で見ると割安感あり
楽天損保のインターネット割引は、新規加入でも更新でも、一律25%です。
他のダイレクト型自動車保険の大半にもインターネット割引はあります。ただし、はじめの年(新規加入の年)の割引が大きく、2年目からは割引が下がるパターンが主流です。
たとえば、アクサダイレクトのインターネット割引は、以下のようになっています(2023年1月時点)。
- 初めの年は最大20,000円の割引(元の保険料により変動)
- 2年目は最大8,000円の割引(インターネット継続割引)
- 3年目以降は一律1,000円の割引(インターネット継続割引)
楽天損保とアクサダイレクトとで、見積もり条件をそろえて、4年間の保険料の推移をシミュレーションしたのが、下のグラフです。
35歳10等級で新規加入し、その後無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。

楽天損保の保険料は割引が一律なので、毎年の等級アップに合わせて、少しずつ安くなっていきます。
一方、アクサダイレクトは、2年目、3年目と、インターネット割引がダウンするので、保険料は値上がりしています。
グラフの比較では、すでに2年目で、保険料総額では楽天損保の方が安くなります。長く続ける前提で比べると、楽天損保のほうが割安です。
インターネット割引の影響は、こんなに大きいのですね。高いか安いかを、1年目の保険料だけで判断するのは危険ですね・・・
楽天損保の顧客対応・事故対応の評判を、統計データから読み解きます。
上で説明したように、補償内容に大きな違いはないので、補償が提供されるときの品質もぜひチェックしたいです。
このサイトでは統計データなど客観性の高い情報をもとに、楽天損保に対する利用者や市場の評価を分析します。
苦情発生率は並程度
日本損害保険協会が公表している、協会が受け付けた損保各社に対する苦情件数をもとに、過去2年度の各社の苦情発生率をランク分けしました。
ただし、代理店型損保とダイレクト損保とでは、販売形態・取り扱う保険商品・客層などが違うため、同じステージでは比較できません。下表は、ダイレクト損保にしぼっています(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2021年度 | 2020年度 |
---|---|---|
少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
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|
多い |
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楽天損保の苦情の量は、ふつうか、それよりやや少ないようです。
自動車保険の解約の発生率は?
解約の理由は商品やサービスに対する不満だけではありません。しかし、他社より解約の発生率が高いとしたら、何か問題がありそうです。
損害保険各社の決算資料をもとに、過去2年度の自動車保険の解約発生状況を、ランク分けしました。
解約の量 | 2021年度 | 2020年度 |
---|---|---|
少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
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|
多い |
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楽天損保は、解約がやや多いです。
自動車保険の売上の伸び率
自動車保険は、原則1年満期で、満期のときに他社商品に乗り換えてもリスクはありません。
ですから、自動車保険は加入者の満足度が売上に反映しやすいと考えられます。
そこで、過去2年度の自動車保険の売上の対前年伸び率を、業界平均と比較しました。
2年続けて大幅なマイナスです。理由は何であれ、不安を感じさせられる状況です。
体制・組織は安定に向かっている
ここまでご覧いただいたことを整理すると、次のようになります。
- ダイレクト損保の中では、苦情の量はふつう。
- 途中解約はやや多い。
- 2年続けて売上を落としている。
前進の朝日火災と楽天損保とでは、客層や販売方法・戦略などに大きな違いがあります。そのため、移行にともなう混乱がまだあるようです。
ただし、全体的に改善しているように見えます。
【結論】楽天損保『ドライブアシスト』についての評判・評価をまとめました。
ここまでに説明してきた楽天損保『ドライブアシスト』の評判・評価をまとめると、次のようになります。
補償・サービス |
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保険料 |
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顧客満足度 |
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その他 | 新会社移行後の組織や商品等の見直し中につき、本領発揮までにはもう少しかかりそう。 |
ご自身の見積もり条件で、実際に比較
上で保険料相場との比較をご覧いただきましたが、見積もり条件(年齢、等級、車の使用目的、車の型式・・・)や補償内容によって、保険料の差は変動します。
できるだけ多くの見積もりを入手して、実際に比較することをおすすめします。
ただ、複数の自動車保険の見積もりを、条件をそろえて実施するのは、なかなか手間と時間がかかります。
誤解や思い込みで、まちがった見積もりをする危険もあります。

そこで、無料の一括見積もりサービスをおすすめします。
1回の入力で、おもな自動車保険の見積もりが一気にお手元に集まります。
時間と労力の節約効果は、想像以上です。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。
