18・19・20歳の軽自動車の保険料相場を、ご案内します。新規加入や見直しの参考になさってください。
自動車保険の仕組みは、軽自動車でも、普通車や小型車でも同じです。
とは言え、軽自動車には、事故の発生率が低く、損害が大きくなりにくいという特徴があります。そのため、具体的に比較すると、普通車・小型車とは傾向が異なることがあります。
そうした点を中心に解説します。
18・19・20歳の軽自動車オーナーが自動車保険に入るときの傾向
18・19・20歳の軽自動車オーナーが自動車保険に入るときに、共通して起こりそうなこと、感じそうなことを解説します。
普通車・小型車より保険料が安い
自動車保険の保険料は、事故が起こりやすく、損害が大きくなりやすいほど、高くなります。
軽自動車は、普通車(白3ナンバー)や小型車(白5または7ナンバー)より、保険料が安くなりやすいです。
東京海上日動の自動車保険で、見積もり条件を同じにして、軽自動車と小型車の年払保険料を比較しました。
小型車 | 254,250円 |
---|---|
軽自動車 | 179,850円 |
軽自動車は、事故が起こりにくく、損害が大きくなりにくいと受けとめられているようです。
ダイレクト型が安いとは限らない
ほとんどの年代の人たちにとって、代理店型自動車保険より、ダイレクト型自動車保険のほうが、保険料が安くなります。
ところが、18・19・20歳の方々にとっては、そうとは限りません。
新規加入(6等級)での保険料相場を比較しました。
代理店型 | ダイレクト型 | |
---|---|---|
保険料相場 | 169,340円 | 173,920円 |
上下の幅 | 152,560~ 180,090円 |
109,580~ 257,180円 |
保険料相場(主な商品の平均)は、わずかながらダイレクト型のほうが高くなりました。
「上下の幅」からわかるように、ダイレクト型自動車保険は、商品による金額の差がとても大きいです。
18・19・20歳の保険料は高い
『運転免許統計』(警察庁)によると、2021年の年代別交通事故発生率はグラフのようになっています。
自動車保険に加入するときには、年齢条件を指定するように求められます。この指定が、上のグラフに対応しています。
- 《年齢条件》
- 全年齢
- 21歳以上
- 26歳以上
- 30歳(または35歳)以上
18〜20歳の方々は自動的に「全年齢」になるので、保険料は高くなります。
ソニー損保の自動車保険で、「年齢条件」の指定を変えて、保険料を比較したのが下表です(「年齢条件」以外は同じ)。
全年齢 | 171,220円 |
---|---|
21歳以上 | 77,260円 |
補償プランは全く同じなのに、保険料はこんなにも差がつきます。
自動車保険の保険料を下げるためにできることは?
18・19・20歳の保険料が高いのは、事故が多いという客観的な事実(=統計)にもとづいています。それだけに、どんなにがんばっても、30〜40代並の金額まで下げることは不可能です。
ただ、必要以上に保険料を高くしないために、できることはいくつかあります。
補償プランをシンプルに
自動車保険の基本的な仕組みは、業界内で統一されています。どの商品を選んでも、補償プランは似たものになります。
補償プランの面で、保険料を下げるためにもっとも効果があるのは、車両保険を付けないことです。
もっとも、18・19・20歳の方々は、大半が運転初心者でしょうから、車両保険に魅力を感じるかもしれません。
車両保険は、他の保険と比べて指定しなければならない項目が多く、どう指定するかで保険料は大きく上下します。慎重にご判断ください。
- 車両保険の相場
- 新車は車両保険に入った方が良いのか?
- 車両保険をつけるか、つけないか
- 車両保険の補償内容を決める
- 車両保険の安くする(1) 補償範囲を限定する
- 車両保険の安くする(2) 免責金額を設定する
保険料が安くなる車の使い方
自動車保険に入るときは、補償プランとは別に、運転する人や車の使い方などを指定します。たとえば、次のものがあります。
- 《見積もり条件》
- 等級
- 運転する人の範囲
- 年齢条件と、おもに運転する人の生年月日
- 車の使用目的、年間走行距離
- 車を使うエリア
これらは保険料に影響する重要項目なので、正確に申告しなければなりません。
ただし、保険料が安くなるように、車の使い方を見直すことはできます。たとえば、以下のことはわりと実践しやすいかもしれません。
- 運転者を自分だけにする。
- 車のおもな使用目的を、買い物・送迎・レジャーにする。
- 年間走行距離を可能な限り短くする。
等級を下げないように努める
事故を起こして自動車保険を使うと、次の更新のときに3等級または1等級ダウンして、保険料が値上がりします。
下表は、1〜11等級の割引(割増)率です。等級ダウンすると、次の更新のときに、等級が下がるだけでなく、「事故あり割引(割増)率」が適用されます。
等級 | 事故なし 割引(割増)率 |
事故あり 割引(割増)率 |
---|---|---|
11等級 | -48% | -20% |
10等級 | -46% | -19% |
9等級 | -44% | -18% |
8等級 | -38% | -15% |
7等級 | -27% | -14% |
6等級 | -13% | |
5等級 | -2% | |
4等級 | +7% | |
3等級 | +38% | |
2等級 | +63% | |
1等級 | +108% |
保険料のことを考えると、6等級に近いあいだは、できるだけ保険を使わないで、ストレートに等級を上げていきたいですね。
保険料が安くなりやすい車とは?
これから車を手に入れるなら、保険料が安くなりやすいモデルを選ぶことで、維持費を多少節約できます。
自動車保険では、車の型式(車検証に記載)ごとに、保険料のランクが決められています。このランクのことを、型式別料率クラスと呼びます。

型式別料率クラスは、自動車保険を構成する4つの保険ごとに、それぞれ1〜3の範囲で決められていて、数字が小さいほど保険料は安くなります。
たとえば、ダイハツのタント(型式LA650S)の型式別料率クラスは下のとおりです。
保険 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償保険 | 1 |
対物賠償保険 | 1 |
人身傷害保険 | 1 |
車両保険 | 1 |

4つの保険とも、最も安い1でした。保険料の割安感という意味では、優秀な車と言えます。
ソニー損保の自動車保険に、「20歳+新規+車両保険なしの標準プラン」で加入したときの年払い保険料を、シミュレーションしました。
料率クラスがすべて3 | 221,720円 |
---|---|
料率クラスがすべて1 | 185,640円 |
年に3万円以上の差になりました。けっこう大きいです(金額の差は見積もり内容によって異なります)。
以下のサイトで料率クラスを調べることができます。
保険料を節約するなら、候補に加えていただきたい自動車保険。
自動車保険選びの判断基準は色々ありますが、ここでは、コストパフォーマンスの高さ重視で、候補に加えていただきたい商品をピックアップしました。
- SBI損保
- セコム損保
- セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」
- JA共済「クルマスター」
以下で補足説明します。
SBI損保
ネット金融事業を幅広く展開するSBIグループの損害保険会社です。
ほとんどの見積もり条件で、ダイレクト型の中でも安定して安くなります。
ただし、事故対応は不評です。

セコム損保
国内最大の警備保障会社セコムのグループ会社です。
もとの価格設定も相場より安いのですが、補償をけずることで、他社より保険料を安くできます。
ただし、自動車保険の売上高はとても小さくて、口コミ情報が少ないです。不安があります。

セゾン自動車火災『おとなの自動車保険』
業界大手損保ジャパンと同じグループのダイレクト損保です。
30〜60代の保険料の安さが“売り”の商品ですが、18〜20歳もかなり安くなります。
ダイレクト損保の中で顧客対応・事故対応の評判は良く、「ALSOK事故現場安心サポート」(事故現場に駆けつける無料のサービス)を提供しています。
ご注意いただきたいのは、年齢条件が「21歳以上」になると、他社と比べて割高になることです。21歳になるときには、他社への切換えを検討する必要があります。

JA共済『クルマスター』
「クルマスター」は自動車共済ですが、補償・サービスは自動車保険と同等です。
ただし、加入するには、お近くのJA(農協)の組合員にならなければなりません。もっとも、農業従事者でなくても組合員になれるので、どなたでも加入できます。
「クルマスター」の保険料(掛金)は、全体としてはダイレクト型自動車保険より少し高めです。ただし、18〜20歳の保険料(掛金)はとても安いです。
ただし、顧客対応・事故対応の品質は、自動車保険より低い恐れがあります。

無料の一括見積もりサービスであれば、1回入力するだけで、主な自動車保険の見積もりが手元にそろいます。
損害保険会社のホームページにいくと、どこも見積もりができるようになっています。それぞれに、わかりやすく、操作しやすいように作られています。
しかし、複数の自動車保険の見積もりを、ひとつひとつ条件をそろえて実施するのは、なかなか手間と時間がかかります。

そこで、無料の一括見積もりサービスです。1回入力すれば、主要な自動車保険の見積もりが一通りお手元に集まります。時間と労力の節約効果は、想像以上です。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。
