70代以上の軽自動車の自動車保険の相場をご案内します。新規加入や見直しの参考になさってください。
自動車保険の保険料は、60代あたりから目に見えて上がり始め、歳を重ねるにつれて高くなっていきます。
このページでは、70代以上の軽自動車の保険料の傾向や保険料節約のヒントをご案内します。

なお、普通自動車・小型自動車は、保険料の決まり方が一部異なるので、別のページでご案内しています。
70代以上の保険料相場が高くなっていく理由をご説明します。
高齢者の保険料は年とともに高くなる
下のグラフは、ソニー損保の自動車保険での、50〜75歳の5歳刻みの保険料シミュレーションです。
同社の標準プランで、金額は年払い保険料です。年齢以外の見積もり条件は固定(等級は15に固定)しています。

60代から目に見えて上がり始め、その勢いはだんだん増しています。
なぜこうなるかというと、高齢になるほど、事故の発生率が高くなるからです。
70代以上は保険料が年々高くなる
下のグラフは、原付以上の運転者の、年代別事故発生率のグラフです。警察庁『平成30年における交通事故の発生状況』からの引用です。

60代から、事故発生率は増加に転じています。それに合わせて、自動車保険の保険料も高くなります。
80代の事故発生率は、20代後半と同じくらいですね。
実際の保険料の負担感は、年齢と等級のバランスによって異なります。
上のように、年齢だけに注目すると、上のように、高齢になるほど保険料は高くなります。
しかし、保険料は年齢だけで決まるわけではありません。とくに意識していただきたいのが等級です。
等級も、年とともに変動します。
無事故なら、年々等級は上がって保険料は安くなる
等級は、自動車保険を使わない限り、更新ごとに1つずつ高くなります。そして、高くなるほど保険料は安くなります。
下の図は、15〜20等級の等級ごとの保険料のイメージです。線が短いほど、保険料は安くなります。
残念ながら、等級は無制限に上がり続けるわけではありません。20等級が上限です。
ただし、ご覧のように、20等級はとくに保険料の割引が大きい(=安い)です。
等級との兼ね合いで、負担感は変わる
70〜75歳の年払い保険料を、ソニー損保の自動車保険で見積もりしました。等級は、15等級からスタートして、毎年1つずつ上げていきます。
年齢 | 等級 | 保険料 |
---|---|---|
70歳 | 15等級 | 30,100円 |
71歳 | 16等級 | 30,230円 |
72歳 | 17等級 | 30,340円 |
73歳 | 18等級 | 30,860円 |
74歳 | 19等級 | 31,410円 |
75歳 | 20等級 | 26,390円 |
わかりやすいように、グラフに置き換えました。
70〜74歳の間は、等級上昇による値下がり効果より、加齢による値上がり効果のほうが強いです。少しずつ高くなっています。
ところが、75歳20等級になると、ガクンと安くなっています。20等級の割引が大きいためです。
保険料を左右するのは年齢と等級だけではありませんが、ご覧のように年々変化するのはこの2つです。
等級が20に近い人は、できるだけ早く20等級に到達することが目標になりそうですね。
自動車保険の契約条件や補償を見直して、保険料を下げるヒント!
自動車保険に申し込むときに、たくさんの項目に回答し、選択しますが、そのほとんどが保険料に影響を与えます。
主なものを下表にまとめました。
項目 | 影響 |
---|---|
車の型式・初度登録年月 | 車種・型式・年式によって、各保険の料率が異なる。 |
車の使用目的 | 「日常・レジャー」→「通勤・通学」→「業務用」の順に高額になる。 |
年間走行距離 | 距離が長いほど高額になる。ただし、ダイレクト型のみ。 |
生年月日(記名被保険者) | 年齢によって、保険料が上下する。 |
運転免許証の色 | ゴールド免許は保険料が割引される。 |
運転する人の範囲 | せまいほど、保険料は安くなる。 |
年齢条件 | 運転者の年齢の範囲がせまいほど、保険料は安くなる。 |
補償内容 | 保険、特約の内容によって、保険料は変動する。 |
長年続けている保険ですから、あきらかなムダは見つかりにくいはずですが、とくに再点検していただきたい点を、以下で補足説明します。
「記名被保険者」を変更
自動車保険に入るときに「主に運転する人」(=記名被保険者)を指定します。
保険料を決める基準となる年齢は、この記名被保険者の年齢です。
記名被保険者は、契約者や車の持ち主と別人でもなれます。ただし、「配偶者または親族」などの制限があります。
30〜50代の人を記名被保険者にすれば、保険料を下げられます。
書類上だけでなく、現実に、記名被保険者が最も多く運転するように、車の使い方も見直してください。
さもないと、契約違反になって、保険金が出なかったり、契約が解除されてしまいます。
日常的に運転する人にしぼる
運転する人の範囲(本人限定、夫婦限定など)や年齢条件(26歳以上、35歳以上など)は、日常的に運転する人だけにしぼりたいです。
そして、それ以外の人が運転するときは、次のいずれかの対応をしましょう。
- たまに運転する人、運転するかもしれない人の事故は、その人が加入している自動車保険(他車運転危険特約が自動付帯)で補償してもらう。
- たまにしか運転しない人は、運転する期間中だけ、契約変更手続きをして補償対象に加える。
人身傷害保険を外す
ある程度の年齢になると、医療費の自己負担割合が下がったり、亡くなったときの逸失利益が大幅に減少したりと、人身傷害保険の必要性が下がってきます。
心情的には、人身傷害保険がある方が安心かもしれませんが、客観的に検討すると、この保険が無くても支障ないかもしれません。
一般的な高齢者の医療費自己負担割合は、70歳から2割負担、75歳以降は1割負担です。
ただし、収入などによる例外があるので、よくご確認ください。
他社の自動車保険に乗り換えて、保険料を下げましょう。ダイレクト(ネット通販)型や自動車共済にご注目を!
補償内容を見直しても、期待したほど安くならないときは、他の自動車保険や自動車共済への乗り換えを検討しましょう。
自動車保険の乗り換えは、簡単でノーリスク
満期で他の自動車保険に乗り換えると、等級をそのまま引き継げるので、リスクがありません。
しかも、元の保険は自動的に消滅するので、手続きも簡単です。ただし、一部に、自動的に更新される商品があるので、ご注意ください。
なお、自動車共済は、自動車保険と同じように等級をそのまま引き継げるものと、引き継げないものとがあります。これにも注意が必要です。
保険料を下げるなら、これらの商品を候補に!
70代以上の保険料がオトクで、中身の点でもお勧めできるのが、以下の商品です。ぜひ候補に加えてください。
【高齢者の方にお勧め!】
以下で補足説明します。
セゾン自動車火災『おとなの自動車保険』
業界2位損保ジャパンと同じグループのダイレクト損保です。
保険料は、ダイレクト型の平均くらいか、それより少し安くなります。
ダイレクト損保の中で顧客対応・事故対応の評判は良く、「ALSOK事故現場安心サポート」(事故現場に駆けつける無料のサービス)を提供しています。

三井ダイレクト損保
あいおいニッセイ同和や三井住友海上と同じグループの、ダイレクト損保です。
中高年の保険料水準は、全体的に割安感があります。ダイレクト型の平均より、多少安くなります。
事故対応の評判は、上のセゾン自動車火災より劣る印象です。

こくみん共済coop(全労済)『マイカー共済』
『マイカー共済』の掛金(=保険料)は、全体的には、ダイレクト型自動車保険より高めです。
ただし、高齢者の掛金はかなり割安で、ダイレクト損保の平均より安くなります。
そのうえ、等級の上限が22等級まであるので、さらなる割引を期待できます。
なお、自動車共済全体に事故対応などについての口コミ情報が少ないため、サービス品質は未知数です。

コストパフォーマンスの良さで自動車保険・共済を選ぶなら、無料の一括見積サービスをおすすめします。
ほとんどの損保会社は、自社のウェブサイトで、簡単に保険料を見積もりできる仕組みを提供しています。
それでも、複数の自動車保険を比較するのは、けっこう時間と労力がかかります。
というのは、仕組みや用語が異る複数の自動車保険を、内容をそろえて見積もりするのは、意外と難しいからです。
時間と労力がかかっても、正確に見積もりシミュレーションできればよいですが、ミスや誤解があるまま決断する恐れがあります。

そこで、無料の一括見積もりサービスをおすすめします。
一回の入力で、おもな自動車保険(こくみん共済coopを含めて)の見積もりが、お手元に集まります。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。