イーデザイン損保の自動車保険と、セゾン自動車火災「おとなの自動車保険」とを、徹底比較しました。
イーデザイン損保の自動車保険とセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」とを、以下のように比較しました。
なお、イーデザイン損保は2つの自動車保険を販売しています。ここで取り上げているのは、従来商品です。
イーデザイン損保とセゾン自動車火災は特別なライバル関係です。
イーデザイン損保とセゾン自動車火災は、次の2つの点で、特別ならライバル関係と言えます。
- どちらも、大手損保グループのダイレクト損保。
- どちらも、ダイレクト損保の中で後発の会社
大手損保グループのダイレクト損保
この2社は、それぞれ下の大手損保グループに属しています。
東京海上日動は売上高国内トップ、そして損保ジャパンは第2位です。
ダイレクト損保は、歴史が浅くて規模が小さいというイメージがあると思います。
しかし、この2社のように大手企業グループの後ろだてがあれば、安心して任せられます。
どちらも後発のダイレクト損保
現在も営業している、主なダイレクト損保の設立時期、(ダイレクト型への)参入時期を、下図に整理しました。
セゾン自動車火災の設立は1980年代ですが、ダイレクト販売への参入はイーデザイン損保より少し後です。
2つの自動車保険の、補償・サービスを比較しました。
2つの大事な前提
このページで取り上げている2商品に限らず、自動車保険を比較するにあたって、次の2つの点を頭に置いてください。
- 自動車保険のおもな補償内容は損保業界内で統一されているため、商品による差が出るのはプラスαの補償・サービス。
- ダイレクト型自動車保険は、シンプルでわかりやすいことが重視されるため、なおさら補償・サービスに差が出にくい。
こうした事情があるので、補償・サービスの中身が、商品選びの決定打になりにくいです。
2つの自動車保険の特徴を比較
上のような状況なので、2つの商品の補償・サービスに決定的な違いはありません。
そこで、それぞれの商品の特徴的な機能にしぼって、下表にまとめました。
イーデザイン損保 | おとなの自動車保険 |
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それぞれ特徴があって、全体的には同等レベルという印象です。ただし、個性が異なるので、下のように相性の違いはあります。
イーデザイン損保が向かないのは、➊弁護士費用等保険が不要な人、➋ロードサービスを手厚くしたい人です。
一方、「おとなの自動車保険」が向かないのは、➊人身傷害保険を付けたくない人です。
イーデザイン損保の自動車保険と「おとなの自動車保険」の、保険料水準を比較しました。
2つの自動車保険の保険料水準を、2つの切り口で比較しました。
新規加入の保険料を比較
新規加入の保険料を、7パターンの年齢+等級の組み合わせで比較しました。
比較した7パターンのうち、5パターンで「おとなの自動車保険」のほうが安くなりました。ただし、20代に関しては、「おとなの自動車保険」は圧倒的に高いです。
- 10〜20代はイーデザイン損保のほうが確実に安くなる。
- 30代以降は、「おとなの自動車保険」の方が安くなる確率は高い(逆転の可能性あり)。
更新の保険料を比較
加入1年目から4年目までの保険料を比較しました。35歳10等級で新規加入し、その後、無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。
1年目はわずかな差ですが、2年目以降は「おとなの自動車保険」の方が、あきらかに安いです。
この保険料の差は、インターネット割引の影響です。どちらも、2年目から割引が小さくなりますが、イーデザイン損保の方が大幅に小さくなります。
複数年で保険料を比べると、「おとなの自動車保険」のほうが安いです。
インターネット割引は、ほとんどのダイレクト型自動車保険にありますが、割引額が大きく、しかも年によって変動するので、要注意です。
イーデザイン損保の自動車保険と「おとなの自動車保険」の、顧客満足度や評判を比較しました。
よくあるランキングは、消費者による印象評価のせいか、客観的事実に合致しないことが多く、信頼性が今一つです。
そこで、公表されている公的なデータをもとに顧客満足度や評判を探り、比較しました。
苦情が多いのはどっち?
日本損害保険協会は、協会が受け付けた、各損保会社に関する苦情件数を公表しています。
これをもとに、過去2年度のダイレクト損保の苦情発生率をランク分けしました(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2022年度 | 2021年度 |
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少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
|
|
多い |
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両者の苦情発生率に、決定的な差は無さそうです。
自動車保険の解約が多いのはどっち?
損保各社が毎年公表している資料から、自動車保険の途中解約の発生状況がわかります。
下は2022年度の、おもな損保会社の、自動車保険解約発生率ランキングです(1位がもっとも解約が少ない)。赤い文字がダイレクト型です。
順位 | 会社名 |
---|---|
1位 | SBI損保 |
2位 | ソニー損保 |
3位 | 三井ダイレクト損保 |
4位 | セゾン自動車火災 |
5位 | AIG損保 |
6位 | 共栄火災 |
7位 | 三井住友海上 |
8位 | イーデザイン損保 |
9位 | アクサダイレクト |
10位 | あいおいニッセイ同和 |
11位 | 日新火災 |
12位 | 損保ジャパン |
13位 | 東京海上日動 |
14位 | セコム損保 |
15位 | 楽天損保 |
16位 | チューリッヒ保険 |
セゾン自動車火災の解約の少なさは業界上位です。一方のイーデザイン損保は業界平均レベルなので、悪くはありませんが、こちらの方が劣っています。
自動車保険の売上が伸びているのはどっち?
自動車保険は1年更新なので、売上高の変化から、顧客満足度や期待の大きさが、ある程度推測できます。
下表は、それぞれの損保会社の2020年度→2022年度の、自動車保険の売上高の伸び率です。
イーデザイン損保 | おとなの自動車保険 |
---|---|
-9.2% | 19.7% |
ちなみに、業界の平均伸び率は0.6%でした。
イーデザイン損保は不振、セゾン自動車火災は絶好調と、明暗がくっきりしています。
イーデザイン損保は、2021年末に新発売した『&e』が、とても不人気のようです。
【結論】好評なのは「おとなの自動車保険」
比較した3項目のうち、苦情の発生率は同じくらいでしたが、他の2つはセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」が優勢でした。
「おとなの自動車保険」の方が好評と言えそうです。
イーデザイン損保の自動車保険と「おとなの自動車保険」では、総合評価はどちらが上?
ここまでの比較の結果をまとめると、下のようになります。
- 補償・サービスの充実度は同じくらい。ただし、加入者との相性は異なる。
- 保険料の割安感は、10〜20代ならイーデザイン損保、30代以降は「おとなの自動車保険」。
- 顧客満足度が高いのはセゾン自動車火災「おとなの自動車保険」
以上のことを踏まえると、総合的には「おとなの自動車保険」の方がお勧めです(10〜20代の方々を除きます)。
というより、上の売上高の伸び率を見る限り、イーデザイン損保『&e』は不人気なのでお勧めしにくいです。同社の従来商品も、近々販売停止になるので、やはりお勧めできません。
セゾン自動車火災
『おとなの自動車保険』
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