『おとなの自動車保険』(セゾン自動車火災)の、補償・サービス内容、評判・顧客満足度、保険料水準などを徹底解説します。
セゾン自動車火災の『おとなの自動車保険』はこのところ人気を集めており、売上の伸び率は業界トップクラスです。

そんな『おとなの自動車保険』の補償・サービス内容、評判・顧客満足度、保険料水準などを、徹底解説します。
セゾン自動車火災の、企業としてのプロフィールを、簡単にご案内します。
SOMPOグループのダイレクト(ネット通販)損保
日本国内には、3つの巨大な損保グループがあります。MS&ADグループ(あいおいニッセイ同和、三井住友海上など)、SOMPOグループ(損保ジャパンなど)東京海上グループ(東京海上日動など)の3つです。
2020年度の、3つの損保グールプの市場シェアは、以下のとおりです。
3つのグループで、市場シェア86%を占めています。
そして、セゾン自動車火災はその一つSOMPOグルーブのダイレクト損保です。

損保業界で9位、ダイレクト(ネット通販)型で2位
2022年度の、損保業界売上高(正味収入保険料)順のグラフです。
セゾン自動車火災は、業界全体では9位、ダイレクト損保の中では2位です(ダイレクト損保のトップはソニー損保)。
今もっとも元気なダイレクト損保
一方、セゾン自動車火災の売上の伸びは業界トップクラスです。
下のグラフは、売上高の大きさが近い5つのダイレクト損保の、2017〜2021年度の自動車保険の売りげ高の推移を表しています。
セゾン自動車保険は、この5年間で3つを抜かしました。
セゾン自動車火災は、ダイレクト損保
損害保険会社は、大きく代理店型損保とダイレクト損保に分けられます。
セゾン自動車火災はダイレクト損保です。
ダイレクト損保には代理店がなく、消費者はネットや電話で損害保険会社と直接やり取りします。

そのため顧客のやることは代理店型より多くなりますが、保険料は代理店型より安くなります。
ダイレクト型は、これらのことをセルフでやる必要があります。
『おとなの自動車保険』(セゾン自動車火災)の補償内容(保険・特約・サービス)の特徴を解説します。
自動車保険の基本的な仕組みや補償内容は、業界内で共通しています。
なぜなら、自動車保険(=任意保険)は、自賠責保険(=強制保険)の弱点を補うという社会的使命があるからです。
そのため、差が出るのは、基本機能を補強する補償・サービスです。
『おとなの自動車保険』の補償内容は標準的
『おとなの自動車保険』の、補償の概要を下表にまとめました。
赤い文字が、他社と比べたときの、特徴的な補償内容です。また、*印は自動セットされます。
対人賠償保険* |
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以下の特約があります。
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対物賠償保険* |
以下の特約を付加できます。
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人身傷害保険* |
以下の保険、特約を付加できます。
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車両保険 |
以下の特約を付加できます。
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その他の特約・サービス |
以下の特約があります。
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ロードサービス |
以下の点がサービスメニューがあります。
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他社と比べて、特徴的な点を以下にピックアップしました。
- 人身傷害保険は自動セット。
- ALSOK事故現場安心サポートがある。
- 車両無過失事故に関する特約がある。
- ロードサービスを付け外しできる。
「車両無過失事故に関する特約」があると、こちらが無過失の事故で車両保険を使っても、次の更新のときに等級ダウンしません。
ダイレクト型でこの特約がある商品は少数です。
代理店型自動車保険に比べるとシンプル
一般的に、ダイレクト型自動車保険のほうが、代理店型より補強的な補償は薄い傾向があります。
このことは、『おとなの自動車保険』にも当てはまります。
ダイレクト型自動車保険は、補償プラン作成・見積もりや申込み手続きなどを、一般の消費者にやってもらわなければならないので、シンプルさやわかりやすさが重視されます。
そのため、代理店型に比べると、補強のための補償はしぼりこまれています。
一方の代理店型は、代理店によるサポートがあるので、多機能・高機能であることが優先されます。
『おとなの自動車保険』(セゾン自動車火災)の顧客対応・事故対応の評判は、まずまず良さそうです。
上で説明したように、補償内容に大きな違いはないので、補償が提供されるときの品質や迅速さもぜひチェックしたいです。
このサイトでは、中立公正さや客観性を期待できる情報源として、以下のものを参考にしています。
セゾン自動車火災についての苦情の量は?
日本損害保険協会が公表している、協会が受け付けた損保各社に対する苦情件数をもとに、過去2年のダイレクト損保の苦情発生率をランク分けしました(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2022年度 | 2021年度 |
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少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
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多い |
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セゾン自動車火災の苦情発生率は、普通〜やや少ないレベルのようです。
セゾン自動車火災のように売上が大きく伸びていると、顧客サポート体制の拡充が追いつかず、品質が低下する恐れがあります。それを考え合わせると、なかなか健闘していると思われます。
自動車保険の解約の発生率は?
下は2022年度の、おもな損保会社の、自動車保険解約発生率ランキングです(1位がもっとも解約が少ない)。赤い文字がダイレクト型です。
順位 | 会社名 |
---|---|
1位 | SBI損保 |
2位 | ソニー損保 |
3位 | 三井ダイレクト損保 |
4位 | セゾン自動車火災 |
5位 | AIG損保 |
6位 | 共栄火災 |
7位 | 三井住友海上 |
8位 | イーデザイン損保 |
9位 | アクサダイレクト |
10位 | あいおいニッセイ同和 |
11位 | 日新火災 |
12位 | 損保ジャパン |
13位 | 東京海上日動 |
14位 | セコム損保 |
15位 | 楽天損保 |
16位 | チューリッヒ保険 |
セゾン自動車火災の解約発生率はかなり低いです。加入者の満足度は高いようです。
自動車保険の売上の伸び率
自動車保険は、原則1年満期で、満期のときに他社商品に乗り換えてもリスクはありません。
ですから、自動車保険は、加入者の満足度が売上に反映しやすいと考えられます。
そこで、過去2年度の自動車保険の売上の対前年伸び率を、業界平均と比較しました。
セゾン自動車火災の売上高伸び率は業界平均をはるかに上回っています。
『おとなの自動車保険』加入者の満足度は高いと考えられます。
J.D.パワーの事故対応ランキング
米国に拠点を置く世界的マーケティング調査会社J.D.パワーは、事故対応の顧客満足度調査を毎年実施し、ランキングを公表しています。

セゾン自動車火災と、比較用に大手損保4社の順位を下表にまとめました。
損保市場で圧倒的なシェアを持つ大手損保4社は、品質の面でも“業界標準”と考えられるからです。
2022 | 2021 | 2020 | |
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セゾン自動車火災 | 6位 | 4位 | 11位 |
あいおいニッセイ同和 | 5位 | 9位 | 7位 |
損保ジャパン | 3位 | 2位 | 1位 |
東京海上日動 | 7位 | 3位 | 4位 |
三井住友海上 | 4位 | 5位 | 6位 |
セゾン自動車火災の順位は、2020年は悪いものの、その後の2年は大手損保4社と遜色がありません。
顧客対応・事故対応には期待を持てそう
ここまでご覧いただいたことを整理すると、次のようになります。
- ダイレクト損保の中では、苦情はやや少ない。
- 契約期間中の解約はやや少ない。
- この2年、売上高を大きく伸ばしている。
- 顧客満足度ランキングでは、大手損保に近い評価。
お勧めしやすいダイレクト型自動車保険の一つです。
『おとなの自動車保険』(セゾン自動車火災)の保険料を、代理店型とダイレクト(ネット通販)型の相場と比較しました。
新規加入の保険料
保険料相場と比較
『おとなの自動車保険』の保険料を、代理店型自動車保険とダイレクト型自動車保険の相場と比べました。
7パターンの年齢・等級に分けて、保険料を見積もりシミュレーションしました。車両保険は無しです。

ご覧のように、『おとなの自動車保険』の料金設定はかなりクセが強いです。以下のような特徴があります。
- 20代前半は代理店型より高額。
- 20代後半は、代理店型より安いけれど、ダイレクト型としては高額。
- 30代以降は、ダイレクト型の中でも割安。
まとめると、30代以降にターゲットをしぼった保険料体系と言えそうです。
割安感は見積もり条件により変動
ダイレクト損保は、事故発生率が高くなる層の保険料を高めに設定することが多いです。セゾン自動車火災は、上の年齢による価格差からもわかるように、とくにその傾向が強いです。
別の例をご覧ください。見積もり条件の一つ、年間走行距離を変えたときの保険料を、三井ダイレクト損保と比較しました(35歳10等級、車両保険無しでの、年払い保険料)。
5,000kmと10,000kmとは、セゾン自動車火災のほうが安くなっています。しかし、20,000kmでは逆転しました。
ここでも、事故発生率が低い層は割安に、高い層は割高にという、セゾン自動車火災の考え方が表れています。
複数年で見ると・・・
ほとんどのダイレクト型自動車保険には、インターネット割引があります。『おとなの自動車保険』も例外ではありません。
そして、大半のダイレクト型では、1年目と2年目以降とで、割引の大きさに差があります(1年目が大きい)。『おとなの自動車保険』は以下のようになっています。
- 初めの年は13,000円の割引
- 2年目以降は10,000円の割引
割引の大きさは商品によって異なっています。
例として、『おとなの自動車保険』の加入から4年間の保険料の推移を、チューリッヒ「スーパー自動車保険」と比較したしたのが、下のグラフです。
35歳10等級で新規加入し、その後無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。

1年目だけなら、両社の保険料の差はわずかです。しかし、2年目以降はあきらかな差がついています。
『おとなの自動車保険』のインターネット割引は、2年目以降のダウンが小幅です。
複数年で比べると、『おとなの自動車保険』の割安感はさらに目につきます。
【結論】『おとなの自動車保険』(セゾン自動車火災)についての評判・評価をまとめました。
ここまでに説明してきた『おとなの自動車保険』の評判・評価をまとめると、次のようになります。
補償・サービス |
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顧客対応・事故対応 |
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保険料 |
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その他 |
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とても競争力が高い商品で、幅広くお勧めしたいです。
ただし、相性が厳しい商品でもあります。事故発生率が高いとされるグループに属する方々(若い層、車をハードに使う方々など)は、競合商品としっかり比較してください。

ライバルの自動車保険はこちら
イーデザイン損保
東京海上グループの、ダイレクト損保です。
2021年の終盤に新商品『&e(アンディー)』を投入しました。専用の小型センサーを用いた安全運転サポートが自慢の商品です。

ただし、(『おとなの自動車保険』が高額になる見積もり条件を除いて)保険料の面ではイーデザイン損保は劣勢です。
『&e(アンディー)』は、ダイレクト型自動車保険につき物のインターネット割引を廃止しています。
そのため、1年目の保険料は高くなりやすいです。ただし、保険を使っていないのに2年目で大きく値上がりする、ということは起こりにくいです。
三井ダイレクト損保
あいおいニッセイ同和や三井住友海上と同じグループの、ダイレクト損保です。
2022年にダイレクト型では初めて、専用ドライブレコーダーによるサポート(特約)を開始しました。これが、補償・サービス面での最大の特徴です。

イーデザイン損保やセゾン自動車火災に比べると、事故対応の評判は低いです。
『おとなの自動車保険』の保険料が高くなる方々(若い層など事故発生率が高いとされる方々)は、三井ダイレクト損保も候補に加えていただきたいです。
ご自身の見積もり条件で、実際に比較
『おとなの自動車保険』の30代以上の保険料は、ダイレクト型の相場に近い金額で、ライバルがひしめく激戦区です。
できるだけ多くの見積もりを入手して、実際に比較することをおすすめします。
ただ、商品によって中身が違うので、複数の自動車保険の見積もりを、条件をそろえて作成するのには、想像以上に手間と時間がかかります。
それどころか、誤解や思い込みで、まちがった見積もりをする危険もあります。

そこで、無料の一括見積もりサービスをおすすめします。
1回の入力で、おもな自動車保険の見積もりが一気にお手元に集まります。
時間と労力の節約効果は、想像以上です。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。

セゾン自動車火災は、精力的に広告宣伝を展開する、ダイレクト(ネット通販)型の一つです。
セゾン自動車火災は、ダイレクト型の中でも、広告宣伝に力を入れています。
看板商品『おとなの自動車保険』のCMは、販売当初の2011年から放映されていますが、2022年までは一貫して俳優の香川照之さんを起用していました。
下の画像は、2011年当時のCMです。

次は2017年頃のCMです。フリーアナウンサー平井理央さんが、香川さんと共演しています。

香川さん出演のCMは数多く制作されましたが、2022年に降板されました。その後しばらくは、イメージキャラクターを置いていませんでした。
下は「知ったら変わる!ゴリヤス」篇です。

2023年4月から、俳優の松田龍平さん、温水洋一さんを起用したCMがスタートしました。今後シリーズ化するのか、気になります。
