SBI損保とソニー損保の自動車保険とを、徹底比較しました。
人気のある2つの商品、SBI損保とソニー損保の自動車保険を、以下のように比較しました。
SBI損保とソニー損保は、歴史が浅く規模の小さなダイレクト損保ですが、経営基盤は強力です。
どちらも大手企業グループのダイレクト損保
この2社は、それぞれ下の大手企業グループに属しています。
SBIグループとソニーグループとでは、規模がかなり違います。優劣を決めるなら、ソニーグループの方が安心感は大きいです。
とは言え、自動車保険を選ぶ上で、SBIグループに不安要素はありません。1年以内にSBIグループが傾くとはとても考えられないからです(自動車保険は1年契約なので)。
売上高ではソニー損保が大きくリード
下のグラフは、2022年度末のおもな損保会社の売上高ランキングです。
ソニー損保は全体で8位、ダイレクト損保の中ではトップです。一方のSBI損保は14位で、ソニー損保とはかなり差があります。
ソニー損保が1998年設立なのに対し、SBI損保は2006年設立と、ダイレクト損保の中でも後発です。
自動車保険のダイレクト販売の歴史は20年少々ですから、この数年の差は影響がそれなりに大きいです。
2つの自動車保険の、補償・サービスを比較しました。
2つの大事な前提
このページで取り上げている2商品に限らず、自動車保険を比較するにあたって、次の2つの点を頭に置いてください。
- 自動車保険のおもな補償内容は損保業界内で統一されているため、商品による差が出るのはプラスαの補償・サービス。
- ダイレクト型自動車保険は、シンプルでわかりやすいことが重視されるため、なおさら補償・サービスに差が出にくい。
こうした事情があるので、補償・サービスの中身が、商品選びの決定打になりにくいです。
2つの自動車保険の特徴を比較
上のような状況なので、2つの商品の補償・サービスに決定的な違いはありません。
そこで、それぞれの商品の特徴的な機能にしぼって、下表にまとめました。
SBI損保 | ソニー損保 |
---|---|
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どちらの自動車保険も、ダイレクト型の中でも、シンプルなわかりやすさを重視しています。そのため、補償・サービスに大きな差はありません。
ただし、人身傷害保険の差は気になります。
ソニー損保の場合、✿示談交渉の終了を待たずに、✿過失割合に関係なく損害全体が補償されます。
一方のSBI損保では、✿示談交渉終了後に、✿相手からの損害賠償では足りない分のみ、補償されます。
この差は意外と大きいです。
ソニー損保の自動車保険では、個人賠償特約を付けると、自転車事故による損害賠償もできるようになります。
SBI損保とソニー損保の自動車保険とで、保険料水準を比較しました。
新規加入の保険料を比較
新規加入の保険料を、7パターンの年齢+等級の組み合わせで比較しました(2023年1月)。
新規の保険料は、全パターンでSBI損保のほうが安くなりました。
更新の保険料を比較
加入1年目から4年目までの保険料を比較しました。35歳10等級で新規加入し、その後、無事故で更新し続けたときの、年払い保険料です。
複数年で保険料を比べても、SBI損保の方が安いです。
どちらの自動車保険も、2年目でいったん高くなっています(等級が上がっているにもかかわらず)。その後、SBI損保は3年目から減少しますが、ソニー損保が減少に転ずるのは4年目からです。
こうした違いの原因は、2つの商品のインターネット割引の違いにあります。
ソニー損保のキャッシュバックプラン
ソニー損保には、保険料が安くなる「安全運転でキャッシュバックプラン」があります。
専用のスマホアプリで運転の安全性を得点化し、その得点に応じてキャッシュバックされる金額が決まります。
過去の実績を見ると、加入者の80%強が30%のキャッシュバックを受けているので、難易度は低めです。
新規に加入して30%キャッシュバックされたときの実質負担額を、上と同じようにSBI損保と比較したのが、下のグラフです。
全7パターンで、ソニー損保のほうが安くなりました。
ソニー損保の「安全運転でキャッシュバックプラン」は、どなたでも申し込みできます。
安全運転の成績によってキャッシュバックされる金額が決まりますが、難易度は低いです。
ソニー損保に興味をお持ちなら、ぜひ検討してください。
SBI損保とソニー損保の自動車保険で、顧客満足度や評判を比較しました。
よくあるランキングは、消費者による印象評価のせいか、客観的事実に合致しないことが多く、信頼性が今一つです。
そこで、公表されている公的なデータをもとに顧客満足度や評判を探り、比較しました。
苦情が多いのはどっち?
日本損害保険協会は、協会が受け付けた、各損保会社に関する苦情件数を公表しています。
これをもとに、過去2年度のダイレクト損保の苦情発生率をランク分けしました(枠内の並び順は50音順)。
苦情の量 | 2022年度 | 2021年度 |
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少ない |
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やや少ない |
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ふつう |
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やや多い |
|
|
多い |
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ソニー損保の方が、苦情発生率は大幅に低いです。
SBI損保は、顧客満足度が低い自動車保険の一つです。
自動車保険の解約が多いのはどっち?
損保各社が毎年公表している資料から、自動車保険の途中解約の発生状況がわかります。
下は2022年度の、おもな損保会社の、自動車保険解約発生率ランキングです(1位がもっとも解約が少ない)。赤い文字がダイレクト型です。
順位 | 会社名 |
---|---|
1位 | SBI損保 |
2位 | ソニー損保 |
3位 | 三井ダイレクト損保 |
4位 | セゾン自動車火災 |
5位 | AIG損保 |
6位 | 共栄火災 |
7位 | 三井住友海上 |
8位 | イーデザイン損保 |
9位 | アクサダイレクト |
10位 | あいおいニッセイ同和 |
11位 | 日新火災 |
12位 | 損保ジャパン |
13位 | 東京海上日動 |
14位 | セコム損保 |
15位 | 楽天損保 |
16位 | チューリッヒ保険 |
どちらも優秀ですが、比べるとSBI損保優位です。加入者の満足度はどちらも高いようです。
SBI損保は、苦情は多いのに、解約はとても少ないのですね。
物足りないところはあるけれど、トータルでのメリットが大きい、ということでしょうか?
自動車保険の売上が伸びているのはどっち?
自動車保険は1年更新なので、売上高の変化から、顧客満足度や期待の大きさが、ある程度推測できます。
下表は、それぞれの損保会社の2020年度→2022年度の、自動車保険の売上高の伸び率です。
SBI損保 | ソニー損保 |
---|---|
7.7% | 10.6% |
ちなみに、業界の平均伸び率は0.6%でした。
両者ともに業界平均を大きく上回っています。ソニー損保優勢ですが、SBI損保の人気も高いです。
【結論】品質ではソニー損保だが・・・
SBI損保の苦情発生率は業界ワーストレベルでした。それにもかかわらず解約が少ないのは、品質への不満・不安を上回るメリット(=保険料の安さ)があるから、と考えられます。
つまり、純粋に品質だけを比べると、SBI損保には品質面で不安があると考えられます。
SBI損保とソニー損保の自動車保険では、総合評価はどちらが上?
ここまでの比較の結果をまとめると、下のようになります。
- 補償・サービスの差に小さいが、SBI損保の方がやや薄い。
- 保険料の割安感はSBI損保が優勢ですが、ソニー損保のキャッシュバックプランを選択すると、逆転の可能性が高いです。
- 顧客満足度が高いのはソニー損保。
キャッシュバックプランを選ばないのなら、品質のソニー損保をとるか安さのSBI損保をとるか、という選択になります。加入する方の価値観次第になります。
キャッシュバックプランを選ぶのなら、ソニー損保が優勢です。そして、実績を見る限り、20〜30%の高いキャッシュバックを受け取るのは難しくありません。
ですので、キャッシュバックプランに入ることを前提として、ソニー損保の勝ちとします。
ソニー損保
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