新車を買ったときは、自動車保険に車両保険を付けたほうが良いのか?そんな疑問にお答えします。
せっかくの新車ですから、長く大切に使いたいです。
そのためにも、車両保険に入ったほうが良いのでしょうか?

このページでは、新車オーナーに知っておいていただきたい、車両保険との付き合い方を解説します。
世間一般の、新車オーナーの動向を調べたところ、車両保険をつける人が多いようです。
新車オーナーが車両保険にどのくらい入っているか、アクサダイレクトが詳細に公表しています。
同社の2022年4月末時点での、車齢(初度登録年月からの年数)と車両保険加入率の関係は、以下のとおりです。

このグラフから、次のことがわかります。
車が新しいほど加入率は高い
%の数字より、増減に注目してください。
車両保険の加入率は、車齢が増えるに従って、着実に減っています。
車が新しいほど一般型が多い
車両保険に入るときは、補償対象となる事故の範囲を指定します。
- 一般型(すべての事故が補償される)
- エコノミー型(一部の事故は補償されない)
上のグラフを見ると、車齢の増加とともに車両保険の加入率は下がっていきますが、エコノミー型の割合は増えています。
感情論以外の理由は?
せっかく新車を購入したのだから、コスト(=保険料)がかかっても、キレイな状態で乗り続けたいという気持ちはよく理解できます。
そういう感情論とは別に、損得勘定で考えて、新車オーナーが車両保険に入るメリットはあるのでしょうか?
新車オーナーが車両保険を付けるかを判断する、4つの基準があります。
次の4つの基準で、車両保険の要否をご判断ください。

〔基準➀〕車は生活必需品か?
車が生活必需品なら、すぐに修理するなり、かわりの車を手配しなければなりません。そのための資金に不安があるなら、車両保険をご検討ください。
逆に生活必需品でないなら、修理代を準備できるまで待てるかもしれません。
〔基準➁〕慣れない車の運転に不安はあるか?
新しい車の大きさ、形状、運転席の高さ、操作方法(シフトチェンジ等)などに不慣れだと、事故を起こしやすくなります。
運転に慣れるまでは、車両保険が不安を和らげてくれるかもしれません。
〔基準➂〕全損したときに手持ち資金で対処できるか?
自分の車がこわれたときの損害の大きさはある程度想定できます。最悪のケースは全損、つまり修理不能(修理できるが費用がかかりすぎる場合を含む)です。
そうなっても、手持ちの資金で対処できそうなら、車両保険は不要です。
〔基準➃〕自動車ローンをくんでいるか?
車両保険の要否を、とくにしっかりご検討いただきたいのが、ローンをくんで新車を購入した方々です。
触れたい論点が多いので、下で解説します。
車両保険の要否を一番シビアに検討していただきたいのは、ローンをくんで新車を購入した方々です。
ローンで購入した車が全損しても、ローンは残ります。かわりの車を購入したら、二重の出費になります。
そうした事態を乗り切るのに、車両保険が必要かをじっくり検討しましょう。
こわれた車のローンを完済したい
ローンをくんだことで、車の所有者がディーラーやローン会社になっているときは(車検証で確認できます)、こわれた車を廃車にできません。
廃車にできないと、保管料や自動車税などのコストがかかります(ただし、“解体”の手続きをすれば自動車税は不要になります)。
また、ローンが残っていると、新しくローンを組むのに、条件が厳しくなります。
以上のことから、こわれた車のローンを一括で完済するのが望ましいです。ただし、保険以外の方法でまとまったお金を用意するのは難しいかもしれません。
もっとも、以下のように、ローンを残したままで2台目を購入することは可能です。
2台目をローンで購入する場合
一台目のローンが残っていても、新たにローンを組むことは可能です。ただし、ローン会社の審査を通過することが前提になります。
この方法がとれるなら、車両保険に入っていなくとも、2台目を購入できます。
ただし、車両保険に入っていて、「事故代替」という手続きをすると、その保険金をローンの頭金に流用できます(ローン返済額を減らせます)。
2台目を即金で購入する場合
車両保険から出る保険金額を決定するために、修理費用の見積もりは不可欠です。
ただし、受け取った保険金で修理しないで、かわりに別の車を購入できます。
もとの車と同じモデルを買い直したいということなら、車両保険に新車特約を付けておきたいです。
車両保険の保険金額は年々減っていきます。もとの車を新車で買い直そうとすると、不足が発生します。いくらか自腹を切ることになります。
新車特約を付けておくと、年数の経過により目減りした車両保険の保険金を、埋め合わせてくれます(ただし、この特約を使える車齢は、商品によって異なります)。
見積もり結果を見ながら判断
便利な車両保険ですが、保険料が高いです。できるだけ早いタイミングで見積もりをおこない、感触をつかんでおきましょう。
参考までに、ソニー損保の自動車保険で見積もりしました。35歳16等級で同社の標準プランの年払い保険料です。
車両保険なし | 27,610円 |
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車両保険あり | 52,300円 |
車両保険あり+新車特約 | 55,120円 |
金額そのものより、増減の幅にご注目ください。車両保険を付けると、保険料は2倍近くまで増えています。
車両保険を付けても、保険料の値上がり幅を抑えるなら、見積もりを比較しましょう。
新車に買い換えて、車両保険をつけると、保険料は驚くほど高くなります。補償内容を点検しても、ほとんど安くなりません。
そんなときは、おもな自動車保険の見積もりを比較して、コストパフォーマンスの高い商品を見つけましょう。
といっても、複数の自動車保険の見積もりを、補償内容を同じにして作成するのは、意外と大変です。

そこで、無料の一括見積もりサービスの活用をおすすめします。
1回(1社分)の入力で、主要各社の自動車保険の見積もりが一気に集まります。
一括で見積もりをした後、個別の商品について、見積条件を変えて再見積もりすることも可能です。
見積もりを繰り返しながら、ベストな補償と商品を絞り込みましょう。
