20代後半の軽自動車の保険料相場を、ご案内します。新規加入や見直しの参考になさってください。
自動車保険の仕組みは、軽自動車でも、普通車や小型車でも同じです。
とは言え、軽自動車には、事故の発生率が低く、損害が大きくなりにくいという特徴があります。そのため、具体的に比較すると、普通車・小型車とは傾向が異なることがあります。
そうした点を中心に解説します。
20代後半の軽自動車オーナーが自動車保険に入るときの傾向
20代後半の軽自動車オーナーが自動車保険に入るときに、共通して起こりそうなこと、感じそうなことを解説します。
普通車・小型車より保険料が安い
自動車保険の保険料は、事故が起こりやすく、損害が大きくなりやすいほど、高くなります。
軽自動車は、普通車(白3ナンバー)や小型車(白5または7ナンバー)より、保険料が安くなりやすいです。
東京海上日動の自動車保険で、見積もり条件を同じにして(26歳7等級・車両保険なし)、軽自動車と小型車の年払保険料を比較しました。
小型車 | 82,430円 |
---|---|
軽自動車 | 59,680円 |
軽自動車は、事故が起こりにくく、損害が大きくなりにくいと受けとめられているようです。
ダイレクト型の方が安い
自動車保険は、代理店型とダイレクト型の2つのタイプに分けられます。保険料はダイレクト型のほうが安くなります。
26歳7等級(車両保険なし)の保険料相場を比較したのが下の表です。
代理店型 | 59,360円 |
---|---|
ダイレクト型 | 41,630円 |
シンプルな補償ブランでの比較なので、金額自体は大きくないですが、あきらかな差があります。
20代の保険料は高い
『運転免許統計』(警察庁)によると、2021年の年代別交通事故発生率はグラフのようになっています。
自動車保険に加入するときには、年齢条件を指定するように求められます。この指定が、上のグラフに対応しています。
- 《年齢条件》
- 全年齢
- 21歳以上
- 26歳以上
- 30歳(または35歳)以上
20代は、「21歳以上」と「26歳以上」とにわかれています。2つに区切っているからには、保険料にもそれ相応に差があります。
下のグラフは、「21歳以上」と「26歳以上」の相場の違いを表しています。車両保険をつけないときの、年払い保険料です。
〔年齢条件〕を「26歳以上」に指定すると、実生活でも25歳以下の人に運転させてはいけません。
もっとも、〔年齢条件〕の指定の対象は同居の親族までです。たとえば友だちや知人は対象外です。
友だちや知人の運転まで補償されるかは、〔運転する人の範囲〕の指定次第です。「本人限定」「夫婦限定」「家族限定」のときは、補償されません。
自動車保険の保険料を下げるためにできることは?
20代後半の保険料が高いのは、事故が多いという客観的な事実(=統計)にもとづいています。それだけに、どんなにがんばっても、30〜40代並の金額まで下げることは困難です。
ただ、必要以上に保険料を高くしないために、できることはいくつかあります。
補償プランをシンプルに
自動車保険の基本的な仕組みは、業界内で統一されています。どの商品を選んでも、補償プランは似たものになります。
補償プランの面で、保険料を下げるためにもっとも効果があるのは、車両保険を付けないことです。
もっとも、20代後半の方々は、大半が運転初心者でしょうから、車両保険に魅力を感じるかもしれません。
車両保険は、他の保険と比べて指定しなければならない項目が多く、どう指定するかで保険料は大きく上下します。慎重にご判断ください。
- 車両保険の相場
- 新車は車両保険に入った方が良いのか?
- 車両保険をつけるか、つけないか
- 車両保険の補償内容を決める
- 車両保険の安くする(1) 補償範囲を限定する
- 車両保険の安くする(2) 免責金額を設定する
保険料が安くなる車の使い方
自動車保険に入るときは、補償プランとは別に、運転する人や車の使い方などを指定します。たとえば、次のものがあります。
- 《見積もり条件》
- 等級
- 運転する人の範囲
- 年齢条件と、おもに運転する人の生年月日
- 車の使用目的、年間走行距離
- 車を使うエリア
これらは保険料に影響する重要項目なので、正確に申告しなければなりません。
ただし、保険料が安くなるように、車の使い方を見直すことはできます。たとえば、以下のことはわりと実践しやすいかもしれません。
- 運転者を自分だけにする。
- 車のおもな使用目的を、買い物・送迎・レジャーにする。
- 年間走行距離を可能な限り短くする。
運転するのを自分だけにすると、「運転する人の範囲」を“本人限定”、「年齢条件」を“26歳以上”に指定することになりますよね。
等級を下げないように努める
事故を起こして自動車保険を使うと、次の更新のときに3等級または1等級ダウンして、保険料が値上がりします。
下表は、1〜11等級の割引(割増)率です。等級ダウンすると、次の更新のときに、等級が下がるだけでなく、「事故あり割引(割増)率」が適用されます。
等級 | 事故なし 割引(割増)率 |
事故あり 割引(割増)率 |
---|---|---|
11等級 | -48% | -20% |
10等級 | -46% | -19% |
9等級 | -44% | -18% |
8等級 | -38% | -15% |
7等級 | -27% | -14% |
6等級 | -13% | |
5等級 | -2% | |
4等級 | +7% | |
3等級 | +38% | |
2等級 | +63% | |
1等級 | +108% |
保険料のことを考えると、6等級に近いあいだは、できるだけ保険を使わないで、ストレートに等級を上げていきたいですね。
保険料が安くなりやすい車とは?
これから車を手に入れるなら、保険料が安くなりやすいモデルを選ぶことで、維持費を多少節約できます。
自動車保険では、車の型式(車検証に記載)ごとに、保険料のランクが決められています。このランクのことを、型式別料率クラスと呼びます。

型式別料率クラスは、自動車保険を構成する4つの保険ごとに、それぞれ1〜3の範囲で決められていて、数字が小さいほど保険料は安くなります。
たとえば、ダイハツのタント(型式LA650S)の型式別料率クラスは下のとおりです。
保険 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償保険 | 1 |
対物賠償保険 | 1 |
人身傷害保険 | 1 |
車両保険 | 1 |

4つの保険とも、最も安い1でした。保険料の割安感という意味では、優秀な車と言えます。
ソニー損保の自動車保険に、「26歳+新規+車両保険なしの標準プラン」で加入したときの年払い保険料を、シミュレーションしました。
料率クラスがすべて3 | 60,460円 |
---|---|
料率クラスがすべて1 | 50,850円 |
この見積もりでは、年に1万円くらいの差になりました。受けることができる補償・サービスは同じですから、けっこう大きな差です。
以下のサイトで料率クラスを調べることができます。
保険料を節約するなら、候補に加えていただきたい自動車保険。
保険料の安さでお勧め
自動車保険選びの判断基準は色々ありますが、ここでは、コストパフォーマンスの高さ重視で、候補に加えていただきたい商品をピックアップしました。
- SBI損保
- セコム損保
- チューリッヒ「ネット専用自動車保険」
以下で補足説明します。
SBI損保
ネット金融事業を幅広く展開するSBIグループの損害保険会社です。
ほとんどの見積もり条件で、ダイレクト型の中でも安定して安くなります。
ただし、事故対応は不評です。

セコム損保
国内最大の警備保障会社セコムのグループ会社です。
もとの価格設定も相場より安いのですが、補償をけずることで、他社より保険料を安くできます。
ただし、自動車保険の売上高はとても小さくて、口コミ情報が少ないです。不安があります。

チューリッヒ保険
スイスに本拠を置く世界的な保険会社です。
2つの個人向け自動車保険を販売しています。「スーパー自動車保険」と「ネット専用自動車保険」の2つです。
ここでお勧めするのは、格安商品である「ネット専用自動車保険」の方です。

業界トップクラスの安さと引き換えに、契約取扱い上の制約がいくつかあります。とくに重要と思われるものを下にまとめました。
- 加入できるのは21歳~79歳までの個人。
- 申し込み手続きはインターネットのみ(電話、郵送は不可)。
- 保険料払込はクレジットカード一括払いのみ。
- 更新は自動(こちらが事前に拒否を伝えなければ自動更新)。
補償・サービスに、これと言えるような“売り”はありませんが、一通りのものはそろっています。
この商品に限りませんが、チューリッヒ保険は顧客対応・事故対応の品質に難があります。
苦情の発生率も解約の発生率も、目立って高いです。
更新で大きく値上がりする2商品
ダイレクト型自動車保険の大半はインターネット割引をおこなっています。
インターネット割引の中身は商品によって異なりますが、次のような共通する特徴があります。
- 他の割引より、割引額がかなり大きい。
- 割引額は、2年目以降ダウンする(ダウンの大きさは商品による)。
こういう仕組みであるため、商品によっては、2年目に大きく値上がりして、驚かされることがあります。
下のグラフは、アクサダイレクト、SBI損保、チューリッヒ「スーパー自動車保険」(お勧めしているのとは別の方)の保険料比較です。26歳7等級でスタートし、無事故で2回更新したときの保険料推移です(年払い保険料)。
はじめの年は最も高かったSBI損保が、2年目からは一番安くなっています。こんなことが起きるのは、3つの自動車保険のインターネット割引のせいです。
3社のインターネット割引は、下表のように変化します。
会社 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
---|---|---|---|
アクサダイレクト | 14,000円 | 45,000円 | 1,000円 |
SBI損保 | 14,000円 | 10,000円 | |
チューリッヒ | 10,000円 | 4,000円 | 1,500円 |
SBI損保は2年目から、残りの2つは3年目以降、割引額は固定になります。複数年続けるつもりで加入するなら、3年目の保険料がカギになります。
SBI損保のインターネット割引は、金額が固定です。
一方、アクサダイレクトとチューリッヒ保険の割引額は、元の保険料の金額によって変動します。
無料の一括見積もりサービスであれば、1回入力するだけで、主な自動車保険の見積もりが手元にそろいます。
損害保険会社のホームページにいくと、どこも見積もりができるようになっています。それぞれに、わかりやすく、操作しやすいように作られています。
しかし、複数の自動車保険の見積もりを、ひとつひとつ条件をそろえて実施するのは、なかなか手間と時間がかかります。

そこで、無料の一括見積もりサービスです。1回入力すれば、主要な自動車保険の見積もりが一通りお手元に集まります。時間と労力の節約効果は、想像以上です。
このサービスの利用者は、平均して保険料を年間約35,000円節約されているそうです。
