チューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険の、補償内容、顧客満足度、企業としての信頼性などを、徹底解説します。
チューリッヒ少額短期はスイスを本拠とする世界的な保険グループの少額短期保険会社です。
そんなチューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険「ミニケア賃貸保険」について、以下のことを解説します。
チューリッヒ少額短期の、企業としてのプロフィールをご案内します。
チューリッヒ保険は世界的な保険グループ
チューリッヒ保険は、スイスに拠点を置き、世界中で保険事業展開しています。
日本で営業している損保会社のうち、米国の経済誌フォーチュン誌が毎年発表しているグローバル500(世界の企業の収益ランキング・トップ500)2023年版に名前がある会社を、ピックアップしました。
500社の中での順位です。
91位 | アクサ(フランス) |
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248位 | AIG(米国) |
290位 | 東京海上グループ(日本) |
342位 | チャブ(スイス) |
358位 | チューリッヒ(スイス) |
384位 | MS&ADグループ(日本) |
447位 | SOMPOグループ(日本) |
チューリッヒ保険の売上規模は、日本の大手損保グループと対等です。
なお、チューリッヒ少額短期は、2018年より現在の社名での営業を始めました。
MS&ADインシュアランスグループの主な会社は「あいおいニッセイ同和」と「三井住友海上」、SOMPOグループの主な会社は「損保ジャパン」です。
少額短期保険会社とは
少額短期保険は2006年から始まった(=法律で認められるようになった)新しいタイプの保険会社です。
少額短期保険会社が販売できるのは、➀保険金が少額で、➁保険期間が短く、➂リスクが低い商品だけです。
そうした制限を受けるかわりに、会社を設立しやすく、生命保険・損害保険のどちらも販売できます。
少額短期保険の売上高はまだまだ小さいです。下のグラフは、損害保険の大手4社と、少額短期保険会社全体の、2022年度売上高(全商品)のグラフです。
消費者にとっての少額短期保険のメリット、デメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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チューリッヒ少額短期の場合、同じグループにチューリッヒ保険(損害保険)・チューリッヒ生命(生命保険)があるため、他の少額短期保険会社に比べると、品質面での不安は小さいかもしれません。
チューリッヒ少額短期はネット保険がメイン
保険会社には、代理店による販売がメインの会社とネット通販がメインの会社とがあります。
チューリッヒ少額短期はネット通販メインの会社です。
一般論としては、代理店加入のほうが、対面サポートがあって手厚いです。
ただし、少額短期保険は補償内容が固定されているシンプルな商品が多いので、代理店のありがたみは乏しいです。
というか、代理店は「商品の売り込み&手続き」しかやらないことが多いです。
チューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険の補償内容の特徴を調べました。
チューリッヒ少額短期「ミニケア賃貸保険」のおもな機能を、以下にまとめました。枠で囲まれている補償はグループとして扱われます。
補償の充実度は重要なものは一通りそろっていますが、水災補償がないので、戸建て住宅やマンションの1〜3階にお住まいなら要注意です。
補償プランは一つだけなので(家財保険の保険金額は指定できます)、補償プラン設計の柔軟性は低いです。
シンプルな補償を思い切り安く提供する、というタイプの保険商品によくある補償内容です。
商品のコンセプトは明確です!
チューリッヒ少額短期の顧客満足度を、統計データ等から客観的に分析しました。
このサイトでは、客観性の高い統計データをもとに評判や品質を判定しています。
ただし、損害保険会社と比べて、少額短期保険会社の方は情報公開が遅れています。
そのため、かなりの憶測を交えながらの比較・分析になります。
ちなみに、少額短期保険会社については、ネットのランキングのような口コミ情報も乏しいです。
保険金支払いのスムーズさ
チューリッヒ少額短期の過去2年の元受損害率を、競合他社と比較しました(%の数字が大きいほど支払いがスムーズ)。
保険会社 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
チューリッヒ少額短期 | 12.9% | 9.6% |
少額短期上位5社 | 17.7% | 23.0% |
〔参考〕損保ジャパン | 57.9% | 72.4% |
同じ少額短期保険会社の中では、チューリッヒ少額短期の保険金の支払いは渋いです。
ご参考までに、損害保険会社の代表として損保ジャパンの数字も載せています。少額短期保険会社より良い数字ですが、商品性が違うので、その影響かもしれません。
解約の発生状況
解約の原因は商品・サービスへの不満だけではありません。とは言え、他社より大幅に多いときは、何か問題がありそうです。
そこで、チューリッヒ少額短期の過去2年の解約発生率を、競合他社と比較しました(%の数字が大きいほど解約が多い)。
保険会社 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
チューリッヒ少額短期 | 5.9% | 5.8% |
少額短期上位5社 | 7.8% | 8.0% |
〔参考〕損保ジャパン | 2.7% | 4.7% |
同じ少額短期保険会社の中では、チューリッヒ少額短期の解約は少ないです。
ご参考までに、損害保険会社の代表として損保ジャパンの数字も載せています。少額短期保険会社より良い数字ですが、商品性が違うので、その影響かもしれません。
売上の伸び
顧客満足度が低いと、保険契約更新のときに、顧客が他社に流出してしまいます。
売上高が継続的に伸びている商品なら、顧客の流出が少ないと考えられます。
そこで、チューリッヒ少額短期の2021年度から2022年度にかけての火災保険の売上伸び率を、競合他社と比較しました。
保険会社 | 2021⇨2022 |
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チューリッヒ少額短期 | 51.2% |
少額短期保険ハウスガード | 14.1% |
全管協少額短期 | 3.7% |
東京海上ミレア少額短期 | 0% |
〔参考〕損保ジャパン | 10.6% |
チューリッヒ少額短期の売れ行きは絶好調のようです。これなら顧客の流出はかなり少ないと考えられます。
〔結論〕チューリッヒ少額短期の顧客満足度
ここまでの分析結果をまとめました。
- 保険金支払いは渋い。
- 解約は少ない。
- 顧客の流出は少ない。
保険金支払いが渋い点は気になりますが、顧客の大きな不満にはつながっていないようです。
チューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険による、保険料の節約例です。
三井住友海上『リビングFIT』、少額短期保険ハウスガード『新リバップガードα』(同社は大東建託グループの少額短期保険会社)と、できるだけ補償内容を近づけて、保険料を比較しました。
会社 | 補償のポイント | 2年分の保険料 |
---|---|---|
三井住友海上 『リビングFIT』 |
|
29,600円 |
ハウスガード 『新リバップガードα』 |
|
23,800円 |
チューリッヒ少額短期 『ミニケア賃貸保険』 |
|
14,200円 |
チューリッヒ少額短期は、補償が薄いことを加味しても、かなり安くなりました。
ただし、個人賠償保険が不要でしたら、これよりもっと安くできる商品が他にあります。
水災とは、台風や暴風雨などによる洪水・高潮・土砂崩れなどです。水災補償がないと、これらによる損害が補償されません。
たとえば、河川・海・崖などが近くにないマンションの4階以上に住んでいたら、必要性はかなり低くなります。
【結論】チューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険についての評価をまとめました。
チューリッヒ少額短期の賃貸向け火災保険の評価をまとめると、次のようになります。
補償 |
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品質 |
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保険料 |
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チューリッヒ少額短期「ミニケア賃貸保険」は、中身に物足りなさはあっても、保険料があきらかに安いので許せるというタイプの保険商品です。
こういうタイプの火災保険を望む方々は、くれぐれも候補から漏らさないでください。
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