Mysuranceの賃貸向け火災保険の、補償内容、顧客満足度、企業としての信頼性などを、徹底解説します。
Mysurance(マイシュアランス)は2019年営業開始の新しい会社ですが、損保業界で売上高No.2損保ジャパンのグループ会社です。
大手損保系列の新しい会社という特徴を活かして、一味違う商品を提供しています。
そんなMysuranceの賃貸向け火災保険「スマート賃貸火災保険」について、以下のことを解説します。
Mysuranceの、企業としてのプロフィールをご案内します。
SOMPOグルーブの少額短期保険会社
日本国内には、3つの巨大な損保グループがあります。MS&ADインシュアランスグループ(あいおいニッセイ同和、三井住友海上など)、SOMPOグループ(損保ジャパンなど)東京海上グループ(東京海上日動など)の3つです。
MysuranceはSOMPOグループの一員です。
2022年度の、3つの損保グールプの市場シェアは、以下のとおりです(MS&ADホールディングスの公開資料)。
Mysuranceが属するSOMPOグループは第3位のシェアです。
少額短期保険会社とは
少額短期保険は2006年から始まった(=法律で認められるようになった)新しいタイプの保険会社です。
少額短期保険会社が販売できるのは、➀保険金が少額で、➁保険期間が短く、➂リスクが低い商品だけです。
そうした制限を受けるかわりに、会社を設立しやすく、生命保険・損害保険のどちらも販売できます。
少額短期保険の売上高はまだまだ小さいです。下のグラフは、損害保険の大手4社と、少額短期保険会社全体の、2022年度売上高(全商品)のグラフです。
消費者にとっての少額短期保険のメリット、デメリットは次のとおりです。
メリット |
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デメリット |
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もっともMysuranceは大手損保系列なので、品質面の不安、倒産への不安は大幅に軽減されます。
Mysuranceはネット保険がメイン
保険会社には、代理店による販売がメインの会社とネット通販がメインの会社とがあります。
Mysuranceはネット通販メインの会社です。
一般論としては、代理店加入のほうが、対面サポートがあって手厚いです。
ただし、少額短期保険は補償内容が固定されているシンプルな商品が多いので、代理店のありがたみは乏しいです。
というか、代理店は「商品の売り込み&手続き」しかやらないことが多いです。
Mysuranceの賃貸向け火災保険の補償内容の特徴を調べました。
Mysurance「スマート賃貸火災保険」のおもな機能を、以下にまとめました。枠で囲まれている補償はグループとして扱われます。
補償の充実度は重要なものは一通りそろっていますが、水災補償がないので、戸建て住宅やマンションの1〜3階にお住まいなら要注意です。
ただし個人賠償保険は1億円までの補償なので、少額短期保険としては手厚いです(他の少額短期保険は1,000万円まで)。
用意されている補償プランは「ベーシック」と「スリム」の2タイプですが、個人賠償責任保険を外すことができます。補償プラン設計の柔軟性はやや高いです。
個人賠償保険は、自転車事故で他人を死なせたり、障害者にしてしまうようなケースにも使えます。ただし、そういうケースを想定するなら、数千万〜億単位の保険金を用意したいです。
ところが、少額短期保険は個人賠償保険は上限1,000万円なので、心もとないです。「示談交渉サービス」が付かない点も気になります。
そんな中で、Mysuranceは、損保ジャパンの個人賠償保険を組み込むことで、少額短期保険の弱点を克服しています。
Mysuranceの顧客満足度を、統計データ等から客観的に分析しました。
このサイトでは、客観性の高い統計データをもとに評判や品質を判定しています。
ただし、損害保険会社と比べて、少額短期保険会社の方は情報公開が遅れています。
そのため、かなりの憶測を交えながらの比較・分析になります。
ちなみに、少額短期保険会社については、ネットのランキングのような口コミ情報も乏しいです。
保険金支払いのスムーズさ
Mysuranceの過去2年の元受損害率を、競合他社と比較しました(%の数字が大きいほど支払いがスムーズ)。
保険会社 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
Mysurance | − | 87.2% |
少額短期上位5社 | 17.7% | 23.0% |
〔参考〕損保ジャパン | 57.9% | 72.4% |
Mysurance「スマート賃貸火災保険」は2022年7月発売なので、実績がまだまだ少ないです。
2022年度の実績は上のとおりですが、発売から半年間だけの実績なので、判断材料にしにくいです。
解約の発生状況
解約の原因は商品・サービスへの不満だけではありません。とは言え、他社より大幅に多いときは、何か問題がありそうです。
そこで、Mysuranceの過去2年の解約発生率を、競合他社と比較しました(%の数字が大きいほど解約が多い)。
保険会社 | 2021年度 | 2022年度 |
---|---|---|
Mysurance | − | 3.9% |
少額短期上位5社 | 7.8% | 8.0% |
〔参考〕損保ジャパン | 2.7% | 4.7% |
Mysuranceの解約は少ないです。
発売されたばかりなので、保険を実際に使った人はまだ少ないのかもしれませんね・・・
売上の伸び
顧客満足度が低いと、保険契約更新のときに、顧客が他社に流出してしまいます。
売上高が継続的に伸びている商品なら、顧客の流出が少ないと考えられます。
そこで、Mysuranceの2021年度から2022年度にかけての火災保険の売上伸び率を、競合他社と比較しました。
保険会社 | 2021⇨2022 |
---|---|
Mysurance | 1641.9% |
少額短期保険ハウスガード | 14.1% |
全管協少額短期 | 3.7% |
東京海上ミレア少額短期 | 0% |
〔参考〕損保ジャパン | 10.6% |
Mysuranceの売上は爆発的に伸びています。消費者からの好感度は高いようですが、この数値から顧客満足度を判断するのは難しいです(発売されたばかりなので)。
新発売で、これだけ一気に売上が伸びたのはすごいですね!
〔結論〕Mysuranceの顧客満足度
ここまでの分析結果をまとめました。
- 保険金支払いのスムーズさは未知数。
- 解約は少ない。
- 顧客満足度の高さは未知数。
大手損保系列の少額短期保険なので、期待は持てそうですが、現時点で顧客対応を判定するのは難しいです。
Mysuranceの賃貸向け火災保険による、保険料の節約例です。
三井住友海上『リビングFIT』、少額短期保険ハウスガード『新リバップガードα』(同社は大東建託グループの少額短期保険会社)と、できるだけ補償内容を近づけて、保険料を比較しました。
なお、Mysuranceでは保険料月払いが基本です。下表は2年分合計額です。
会社 | 補償のポイント | 2年分の保険料 |
---|---|---|
三井住友海上 『リビングFIT』 |
|
29,600円 |
ハウスガード 『新リバップガードα』 |
|
23,800円 |
Mysurance 『ネットで賃貸火災保険』 |
|
15,120円 |
Mysurance 『ネットで賃貸火災保険』 |
|
10,560円 |
Mysuranceはフル装備の「ベーシックプラン」でもかなり割安感があります。そして「エコノミープラン」を選べば格安になります。
なお、Mysurance「ネットで賃貸火災保険」には水災補償がありません。そのことも安さの理由の一つです。
水災とは、台風や暴風雨などによる洪水・高潮・土砂崩れなどです。水災補償がないと、これらによる損害が補償されません。
たとえば、河川・海・崖などが近くにないマンションの4階以上に住んでいたら、必要性はかなり低くなります。
【結論】Mysuranceの賃貸向け火災保険についての評価をまとめました。
Mysuranceの賃貸向け火災保険の評価をまとめると、次のようになります。
補償 |
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品質 |
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保険料 |
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品質面はやや未知数ながら、割安感を重視する人たちには、あきらかなメリットがあります。
ただし、人を選びます。水災補償は必要ないし、基本的な補償があれば十分という方々向けの商品です。
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