車を貸すとき、借りるとき、自動車保険はどうしますか？ケース別に解説します！
他人に車を貸したとき、あるいは車を借りたときに事故を起こすかもしれません。
このページでは、そういうケースでの保険の入り方･使い方を、具体的に解説しています。
車を貸すとき、借りるときに、自動車保険はどこまで補償してくれるのか？
自分で自動車保険に加入している人
他人の車を運転しているときに事故を起こした場合、自分が入っている自動車保険を使うことができます。
それは他車運転特約のおかげです。ほとんどの自動車保険で、この特約は自動セットされています。念のため、ご確認ください。
逆に、車の持ち主の保険を使うことも可能ですが、これには条件があります。
自動車保険に入るときに、〔運転者の範囲〕を指定します（「家族限定」「夫婦限定」「本人限定」など）。臨時で運転する人が、この範囲に当てはまるときは、車の持ち主の保険を使うことができます。
運転する前にご確認ください。
他車運転特約で自分の保険を使ったときでも、等級ダウンします。
自分で自動車保険に入っていない人
補償を受けるには、次のどちらかの対策が必要になります。
- 借りる人が１日自動車保険に入る。
- 車の持ち主の自動車保険で、補償できるようにする。
費用や補償の面で有利なのは、車の持ち主の保険を活用する方法です。以下のような強みがあります。
- 実質的な費用は１日自動車保険より安い。
- 補償やサービスは、１日自動車保険より手厚い。
- 契約内容変更の手続きは簡単。
もっとも、費用の負担や手続きの手間は、車の所有者にかかってしまいます。
とくに事故が発生したときは、後始末の手間がかかる上に、等級ダウンして保険料が値上がりするかもしれません。
そうした負担や手間を頼める関係でないなら、この方法を使うことはできません。
おもな１日自動車保険の概要や保険料と、メリット･デメリットをご説明します。
１日自動車保険とは
24時間単位（商品によっては12時間単位）で加入できる自動車保険があります。
次のようなメリットがあります（商品により差があります）。
- スマホ、バソコン、コンビニで手軽に加入できる。
- 一般的な自動車保険に近いが、もっとシンプルな補償内容。
- わかりやすい保険料設定（等級制度はない）。
おもな１日自動車保険
以下のような商品があります。
あいおいニッセイ同和『ワンデーサポーター』
申込みはdocomo･au･SoftBankのスマホのみです。自分名義のスマホで手続きしてください。
保険料は、スマホの利用料金と一緒に引き落とされます。
なお、au損保が販売している１日自動車保険は、この商品です。
| エコノミープラン | ベーシックプラン | ワイドプラン | |
|---|---|---|---|
| 対人賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| 対物賠償（無制限） | ○ （免責５万円） |
○ | ○ |
| ケガの補償 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 |
| 車の修理代（〜300万円） | ○ （免責15万円） |
||
| ロードサービス | ○ | ○ | ○ |
| 保険料 | 800円 | 1,000円 | 2,500円 |
「免責」の金額までは、加入者の自己負担です。
なお、ワイドプランに限り、初回に限り、申し込んでから補償開始までに７日かかります。
損保ジャパン『乗るピタ!』
24時間コースだけでなく、12時間コースも用意されているのが、損保ジャパンのセールスポイントです。
スマホまたはパソコンで申し込みできます。保険料の支払いはクレジットカードです。
| ライトプラン | 基本プラン | 安心プラン | |
|---|---|---|---|
| 対人賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| 対物賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| ケガの補償 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 | 人身傷害 |
| 車の修理代（〜300万円） | ○ （免責15万円） |
○ （免責10万円） |
|
| ロードサービス | ○ | ○ | ○ |
| 保険料 | 800円 （650円） |
2,700円 （2,100円） |
3,500円 （2,800円） |
上表の保険料のうち、（ ）の金額が12時間コースの保険料です。24時間コースと比べて、そんなに安くありません･･･
「安心プラン」は保険料高めですが、こちらのケガの補償が人身傷害保険になるので、他社と比べても手厚いです。
東京海上日動『ちょいのり保険』
申込みはスマホ、バソコン、コンビニ（ローソン、ミニストップ、ファミマ）でできます。
保険料は、スマホの利用料金といっしょに引き落とされるか、クレジットカード払いかを選べます。
| シンプルプラン | レギュラープラン | プレミアムプランプラン | |
|---|---|---|---|
| 対人賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| 対物賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| ケガの補償 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 |
| 車の修理代（〜300万円） | ○ （免責15万円、事故限定） |
○ （免責15万円） |
|
| ロードサービス | ○ | ○ | ○ |
| 保険料 | 800円 | 1,800円 | 2,600円 |
「プレミアムプラン」には弁護士費用特約が付きます。
三井住友海上『1DAY保険』
申込みはスマホ、コンビニ（セブンイレブン）でできます。パソコンでの申込むときは、コンビニ（セブンイレブン）での手続きになります。
保険料は、スマホの利用料金といっしょに引き落とされるか、コンビニ払いです。
| エコノミープラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
|---|---|---|---|
| 対人賠償（無制限） | ○ | ○ | ○ |
| 対物賠償（無制限） | ○ （免責５万円） |
○ | ○ |
| ケガの補償 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 | 搭乗者傷害 |
| 車の修理代（〜300万円） | ○ （免責15万円） |
||
| ロードサービス | ○ | ○ | ○ |
| 保険料 | 800円 | 1,000円 | 2,500円 |
プレミアムプランは、初回に限り、申し込んでから補償開始までに７日かかります。
１日自動車保険の使用上の注意
気軽に利用できる１日自動車保険ですが、一般的な自動車保険と比べると、デメリットが多いです。
補償内容が薄い
損害賠償するための補償、こちらのケガや修理のための補償、ロードサービスと、基本的なものはそろっています。
しかし、一般的な自動車保険と比べると、全体的に薄いです。
また、保険金に上限や免責額が設定されている（＝自腹を切るリスクが大きい）ことが多いです。
不慣れな車を運転するための補償としては心配です。
保険料が高い
１日自動車保険の保険料は、１日分の金額なので小額に見えますが、コストパフォーマンスが高いわけではありません。
たとえば、24時間800円の補償プランなら、１ヵ月分は24,000円、１年分は288,000円になります。
一般的な自動車保険の保険料と比べると高額です。一般的な自動車保険より、補償･サービスが薄いわけですし･･･
１日自動車保険の保険料は、補償プランだけで決まります。年齢や等級の影響を受けません。
ですから、一般の自動車保険で保険料が高くなりやすい10〜20代の方が、１日自動車保険を割高と感じにくいかもしれません
いつもとは違う人が運転するときにも、補償を受けるための手続き。
変更が必要かもしれない項目
「運転者の範囲」を変更
自動車保険では、加入･更新のときに、「運転者の範囲」を指定します。範囲を限定することで保険料を多少節約できます。
次のような選択肢が用意されていています（商品によっては「家族限定」がありません）。
| 指定 | 補償される人の範囲 |
|---|---|
| 本人限定 |
|
| 本人･配偶者（夫婦）限定 |
|
| 家族限定 |
|
| 限定なし |
|
臨時で運転するのが誰かによって、「限定なし」か「家族限定」に変更します。
保険料は「家族限定」の方が安くなります。
〔年齢条件〕は変更不要
なお、「運転者の範囲」と似た指定に「年齢条件」があります。ほとんどの自動車保険で、次のように４区分に分かれています。
- 全年齢
- 21歳以上
- 26歳以上
- 30歳（または35歳）以上
「年齢条件」の指定が影響するのは、同居する親族までです。よって、同居する子供がたまに運転するというケースでは、「年齢条件」の変更が必要になるかもしれません。
一方、友人･知人など他人が運転するときは、「年齢条件」は無視できます。
ただし、友人･知人が車の持ち主の使用人であるときは例外です。「年齢条件」の指定を運転する人に合わせる必要があります。
保険を一時的に変更する手続き
「運転者の範囲」変更の手続きは簡単です。
- ダイレクト型自動車保険はもちろん、代理店型の大半でも、損害保険会社のウェブサイトから手続きる。
- 電話による変更も可能。
- 商品によっては変更当日の手続きでもOK。それができなくても、たいていは変更前日までの手続きが可能。
なお、「運転者の範囲」を拡大したら、保険料が加算されます。変更が数日間であれば、その日数分が加算されます。
よって、車の貸し借りが終わったら、もう一度変更手続きをして、指定内容をすみやかにもとに戻してください。
損害保険会社によっては（とくに代理店型）、ネットで手続きできるようにするための、事前の手続きが必要になります。
初めて利用するときは、早めに始動しましょう。
もっとも割安な保険の入り方
ふだん運転しない人が、年に数回運転することがわかっているときは、以下のように自動車保険に入るのが割安になります。
| ふだんの補償 |
|
|---|---|
| 運転する期間の補償 |
|
もちろん、保険料の安い自動車保険を選ぶことが大前提です。
無料の一括見積もりサービスであれば、１回入力するだけで、主な自動車保険の見積もりが手元にそろいます。
損保会社のホームページにいくと、どこも見積もりができるようになっています。それぞれに、わかりやすく、操作しやすいです。
しかし、複数の自動車保険を、条件をそろえて見積もりするのは、意外と手間と時間がかかります。
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